週刊スガモ 2018年4月21日号

土日は急に夏になったような気候でした。この先しばらく、気温の変動が激しそうです。皆さん、お互い体調に気をつけて踏ん張りましょう(私自身もち ょっと体調を崩し、ご報告を後回しにしたことをお詫びします)。それでは今 回も署名活動のご報告まで。相も変わらぬダラダラとした垂れ流し、ごめんな さーーーい。
ちょっとヒトコト
【長い文章は段落ごとに 1 行空けた方が読みやすい、というご指摘をいただきました。エピソードごとに 1 行空けていたつもりですが、それではまだ足りな かったかも知れません。また、1 行空きでは実質的にあまり空いた感じがしな いかも知れませんね。今週は「改行を多めにする」「エピソードごとの空きは 2 行」という形で書いてみます。もっとこうした方がいいよ、というご意見があ れば、おっしゃっていただければ幸甚です。自分では読みやすいか読みにくい かの区別が、よくわからなくて……】
前置きは終わりまして。さて、と。

70 歳前後の女性、30 代後半ぐらいの女性(息子の妻)、中学生の男の子( 孫)の 3 人連れ
お祖母さんが自分の方から近づいてきて、「私、東京都に住んでないけどい いかしら」と尋ねる。 「ええ、もちろんです。北海道の方でも沖縄の方でも」
笑いながら署名して、「9 条は変えちゃダメよね」

「やっぱりそう思われますか」
「せっかく戦争はしないと決めているのに、ヘンなふうに欲しくないじゃない? 徴兵制でも出来たらどうしようって、本気で思うし。孫がいますからねぇ」とため息をついて、すぐ横に立つ男の子に目を向ける。

この春、中学に入ったばかりだという。 それから息子の妻を手招きして、「あなたも署名して」と促す。
「何の……しょめい、ですか」

「戦争反対の署名」

かなり大雑把な説明だが。うーーーーん、まあいいか。

「あ、戦争はダメです!」
字がうまく書けなくて、と恥ずかしそうに署名してくれた名前を見ると、フ ァースト・ネームが日本名ではない。聞けばもとフィリピン人であるという( 私は顔を見ただけではわからなかった)。 「(孫息子を掌で軽く指して)未来はお子さんのもの、ですものね。私とか年寄りはもうどうでもいいけど、お子さんの未来は守らないと死にきれないですよね」と言う私の言葉に、三人で笑って手を振って下さいました。
79 歳になるという女性 「戦争はダメ。もう、絶対ダメ」と大きく手を振って署名してくださる。
中国からの引き揚げ者であるという。敗戦時には北京に住んでいた。「満州からの引き上げと比べたら、大した苦労じゃないとは思うけど。それで も……子ども心に本当に不安で辛かった」
やっとこさたどり着いた故郷は、戦災で焼け野原。雨風しのいで食べるのが やっと、というなかで成長したわけだが、辛かったのはそれだけではない。成 長するにつれて、次第に「日本がやったこと」を理解し始めた。外地にいただけに、幼い記憶の底にもその微かな断片がこびりついている。

「被害者っていうだけじゃなくて、日本は加害者でもあったのよねぇ。戦争が 起きたら、一番ひどい目に遭うのは庶民、それも女性や子どもなの」
そういう体験は是非お孫さんなどに伝えてくださいと頼むと、

「もちろん!  あちこちで話しているわよ」

と力強い返事だった。戦争体験者が次第に減り つつある今、こういう人の記憶を継ぐ試みも貪欲に続けたい。

60 代ぐらいの女性 「公明党がもっとシッカリしてくれないと」と口を尖らせる。

「もしかして、創価学会の方ですか」と聞くと、「とんでもない!!」と激しく否定。ただ、いわゆる「ご近所仲間」に創価学会員の人達が何人もいるそう だ。
「皆さん、ほんとにいい方達なの」
平和を守りたいという意思も子ども達を守りたいという意思も本物だと、信 頼している。

「でも、公明党は安倍さんの味方ばかりしてるでしょ。そのことになると、皆 さん、歯切れが悪いのね……。学会の考え方は、どうなっているのかしら」
何とも歯がゆいのだと言いたげに、瞬きしてみせた。どうすればいいのかと 意見を求められている感じでもあったが、私にも咄嗟には返事できない。宗教が絡むと、さすがお喋りな私も舌が鈍るのである。何しろ確信犯的無神論者なもので……聞かないで〜。
その後、ちょっと戸惑い気味に「安倍さんは、ええっと……今の 9 条はその ままにして、何か付け加えるって言ってるのよね?」と聞いてこられて、さらに詰まる。
いわゆる「安倍改憲案」を熟知しているわけではなく、「何だか怪しげ」と いう感覚で捉えているふう。むろんそれが悪いわけではない。私だって別に政治や法律に詳しいわけではなく、さらに言えばインテリでもエリートでもないオバサンなんで、「知るか、そんなもん」ではある。そんなオバサンが普通の 言葉で語れるようにならない限り、この世界は変わらないのだと私は思う。
これは余談なのですけれども。 「三流の人間は易しい事柄を難しい言葉で語り、二流の人間は難しいことを難 しい言葉で語る。難しいことを易しい言葉で語れる者だけが一流の人間だ」と いう言い方がある。私が社会に出てマスコミの世界で働くようになって早い時 期に聞き、今でも心の底密かに戒めていることだ。
ここで言う「易しい言葉で語る」とは、決して無智を前提として適当に表面だけサラッと流してごまかすことでも、世の中の風潮に安易に迎合して甘った るい言葉で語ることでもない。虚飾がなく平易で、難解な(つまりそれだけで 内容ありげに見える)表現に逃げることなく、自らが咀嚼しおおせた範囲の言 葉だけを使う、という意味である。私はそんな言葉を語りたい。死ぬまでにその域にたどり着けるかどうかわからないけれども。
閑話休題。

すみません、話を続けます。

50 歳前後に見える男性
。「安倍改憲に反対? いいね」と言ってボールペンを受け取る。

「総理大臣が替われば、改憲してもいいと思われますか?」と聞くと、「とー んでもない」とキッパリひとこと。
「9 条は憲法の根幹。変えちゃダメなんだよ」
基本的人権の話など、今の憲法がどれだけ素晴らしいかという意見を相づち打ちながら聞く。
ちょっと話が途切れたところで、

「でもまだ安倍政権の支持率、30 %ぐらいありますね。どうしてでしょうねぇ」

「みんな、困ってないんだよ。何とか生活できてるし、眼に見えてひどい思い をしてるわけじゃない。だから、このまま任せといても大丈夫だろうと思って るんだ」
全くどうしようもないよな、と顔をしかめる。お互い評論家はやめましょう よ、という言葉をあやうく呑み込んだ。
☆ 5 ~ 6 人連れの男性達。おそらく団塊の世代。 1 人だけチラシを受け取り、署名してくれた。
「安倍政権てのは、ほんとにどうしようもねぇやな」

飲み会の帰りだそうで(うーん。昼から飲んでおられたのか。いえ、かまわないんですけど)

「みんなでさっきもそういう話、してたんだよ」。

「へぇぇ。どういう話です?」と身を乗り出す(ともかく相手の話に興味を示してみせるのが、喋らせる時の鉄則)。

オジサン達、てんでに話し出す。あまり脈絡あるとは言いがたいが、ともかく「安倍政権ダメ」だけは共通しているふう。ただ、細かく言えば改憲派と護憲派が混じっており、「安倍政権下でなければ改憲論議してもいい」という人も。みんなが勝手に喋ると、合いの手を入れる私も疲れる……。
いずれにせよ「安倍改憲は NO」ということなので、署名して下さいよと求めたのだが、オジサンの 1 人に「酔ってるから」と断られる。こういう署名はしらふの時にやりたい、と。
まぁ確かに皆さん一杯機嫌であることは確か。「酔ってるから」が逃げ口上 という可能性もむろん少なくないが、「しらふの時に」という言葉を一応は信 じて、「どこかでこの署名活動見かけたら、署名してくださいネ」と言ってお きました……。(この先しらふの時に見かけたら、絶対に追いかけるゾ)
80 代ぐらいの女性
。「どこの団体?」と聞かれたので「OLDs と言いまして、年寄りが中心のフツーの庶民のグループで。詳しくはここに」と折り込んだ OLDs 自己紹介チラシ を見せる。
「あっ……オールズ。……前にも何度か、ここで署名とかやってられたでしょ」

「はい。毎週土曜日にやってます」

「ずっとやってらっしゃるの。偉いわねぇ」

面と向かって褒められると、何だかくすぐったいのである。

「いえいえ、まぁ年寄りが多いものですから。腰が痛いとか言いながら、まぁ、休み休みボチボチと」

「偉いわね」と、繰り返し褒めてもらいました……。何だか子どもの頃、親の 手伝いをしていて近所のおばさんに褒められた場面を思い出したりして。
チラシを受け取ったものの、署名は断った人が 4 人ほど。
そのうち 1 人(中年の女性。40 代ぐらい?)はチラシを広げて見ながら、「
わからないから」とポツリ。

「わからない……う〜ん。じゃあ、安倍首相のことはどう思われます?」

「……いろいろ言われてるわねぇ」

「そうですねぇ。ひどいなぁとか、思われます?」

「うーーーん。どうかしら」

「ひょっとして、安倍首相、支持されてます?」
やや曖昧な表情で「ええ」と頷く。
ありゃま。安倍政権支持者を捕まえてしまったか。「支持する理由は? なんで? なんで?」と追いかけて食い下がりたいところ、信号が変わってサッと行かれてしまったのが残念無念。
☆ほかの人達も断る理由のほとんどが「よくわからないから」(1 人だけ、「ゴメン急いでるから、今度」と言った人がいた。小走りに駅に飛び込んだので、 本当に急いでいたのだろう……と思うことにしよう)。
この、「わからないから」という言葉にはいつもながら本当に胃が痛くなる。 特に女性。よくわからなくても、それなりに意見を言わなくちゃ(あるいはな ぜわからないかを語る、もしくはなぜおまえにそんなことを聞かれなければな らないのかと反論する)という矜持はないのか。
☆ちょうど交番の真ん前に立っていたものだから、警官に「あの~」と声をか けられた。
「何の署名されてるんでしょうか」

「あっこれ安倍さんに憲法を触られるのは困りますという署名です」と簡単に説明。

(ニコヤカに)「何か問題でもあるのかしら?」

「いやいやいや」と(なぜか慌てて)「交番のすぐ前に立ってられるものです から」

「あ、交番に来る人の邪魔でしたね。ごめんなさい」と(ここは素直に)詫びる。

ついでにと思って「ご署名、いかがです?」と聞いたら、「いやいや、それは」と手を振って足早に交番に入ってしまった。ヘンなおばさんに関わりたく ない、と思ったかも知れない。オマワリさんも大変やね。
署名活動は労多くして効少ない感じもある(むろんたくさん署名集められる方もおられるけど、私はほんとダメなんでゴメンナサイ)。でも、私自身は「 多種多様の、ちょっとしたナマの反応」に触れられるのがひたすらおもしろい。 その点、不真面目と言われれば返す言葉はないのだが……。「わからないから」 と言う時の表情の揺れや、「やっぱり安倍さんしか」という時の視線の揺らぎ等々。これも歴史を刻む上でのささやかな記録であろうと私は(あくまでも私 は、です。他の方がどう思われるかは別)思うのだ。

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