週刊スガモ 大宮編 2018年8月13日

今週は世の中がお盆休みで、何となくのんびりした気分。そのボンヤリ気分のまま、13日は少しばかり大宮に手伝いに行きました。何人かの方と話をしたので、ご報告まで。
それにしても……ほんとっっに、私はチラシの枚数を稼げないんですよな。1時間ほどの間に数十枚単位のチラシを配布できる仲間に対して、私は手放しの賞賛の気持ちを持っています。パッションが違うのか……なぁ。

70代半ば~後半に見える男性
高橋さんの前を素通りしたのを、キャッチいたしました(笑)。高橋さんは60歳代と書いておられたが、私の眼には70代も後半という感じに見えたなあ……。話していて少し聴力が衰えているのがわかり、そのせいかも知れない。
「安倍政権って、どう思われます?」
「ダメだね~」
「ははぁ、ダメですか。何処がダメ?」
耳の後ろに手をあてがう動作で、やや聴こえにくそうなことが判明。少し声を大きくして、同じ言葉を繰り返す。
「ぜーんぶ」
「全部? ひとっつも、いいところナシ?」
「ないねー」
「その安倍政権がですよ、憲法変えようなんて言ってるんですよね。ケシカラン! と思われません?」
「そうだな~」
「憲法もねー。もしかしたら変えた方がいいところ、あるかも知れませんよ。でもねぇ、ダメダメな政権に、そんな一大事業する資格があるのかなんて思ったりするんですよね~」
うんうん、とオジイサン(なんて言ったら失礼か。考えて見れば私もバーサンだ)頷いていくれる。
「そうだよな~。まずいよな~。もう、安倍は早く辞めさせなきゃな」
……と言いながらも、署名を促してみると慌てて胸の前で手を振る。
「あ、街の中で署名するのとかって、お嫌いです?」
「でもないんだけど……」とゴニョゴニョ。無理強いしないというのが私の個人的方針なので、「じゃ、また」と言って別れた。

★40代後半~50代前半ぐらいに見える男性
チラシを受け取ってくれたので、歩きながら話をする。
安倍首相に関しては、「私は嫌いですね」と一言。「エコヒイキが酷すぎる。上に立つ人間の器じゃありませんよ」
「ああいう人が総理だと、子どもの教育にも悪いって感じですよね?」と言うと、あは、確かにそうかも……と笑う。
その返事に意を強くして、「安倍改憲NO」の署名について簡単に説明。改憲に対する意見も聞く。
「うん……憲法はまぁ、変えない方がいいとは思いますね」
にこやかな顔でそんな答えが返ってはきたものの、「よく考えてみますよ」とのことで署名ゲットには至らず。駅の構内まで追いかけて行ってたこともあるし、無理押しはせずそのまま別れた。

〈幕間狂言的な、ちょっぴり余談〉
先の高齢男性もそうだったが、安倍政権に疑問を持ち、改憲にも(積極的にか消極的にかは別として)反対していても、署名は渋る人がしばしばおられる。その理由は様々に考えられるが、ひとつは個人情報に対する過敏性。巣鴨で種名活動している時にも、幾度となくその類いの意見を聞いた。過去の『週刊スガモ』で報告していたような気もするが、改めて思い出してみると──。
〇いろいろな話をしてくれて私達の主張にも共感してくれたものの、「街中で求められても、住所や名前は個人情報だから書いちゃいけない、と親から言われているので」と言った女子高校生。
〇以前に何かで署名したら政党や宗教団体の名前でパンフレットなどが送られてくるようになり、舅姑との関係が気まずくなったという女性。
〇同じく何かで署名したら、商業的な勧誘の電話が頻繁にかかるようになり、ノイローゼになった。署名簿を流されたのだと今でも怒っている一人暮らしの女性(改憲NOの署名は電話番号までは書かないわけだが、一度怖い目に遭った人にはそういう理屈は通じない)。
エトセトラ。
個人情報が漏れても、それが何だって言うんですか! と言うのはたやすい。だが現実に怖い思いや嫌な思いをした人がいる以上、私達はそれを理解し受容して、作戦を練らねばならないと思う。共産党なり何なりの政党や日本赤十字社といった誰もが知っている組織なら、署名を求められた人達は、良くも悪しくも「何処がやっているのかわかる」。だが私達は名も無い、ほそぼそとした市民組織(組織、でもないかも知れない)。信用してもらうことの難しさを、改めて思う。
怪しくないですよ~というアピールをしたくて、浴衣着てやってきたのにね。満面の笑顔も心がけてるのに~(私は目つきがきついらしくて、若い頃からよくその点を指摘されていた。見据えられると怖い、ともよく言われた。それを重々わかっているので、なるべくニコニコしているのだが、どうもそれは付け焼き刃なのかも知れない。しゃーないですね)。

★大学生の男性
彼もチラシを受け取ってくれたので、「ちょっといい?」と声を掛けた。まず「これこれの署名を集めているんですけどね」と軽い感じで言い、相手の表情を伺う。割と反応がよければ「安倍政権について」とか「改憲について」などストレートに尋ねるが、ちょっと警戒気味であったり困惑の色が見えた時はなるべく世間話ふうに喋るのがいつもの習慣。
この男性は後者だったので、署名板は胸に抱えて「あ、署名してくれという話じゃなくてね」と笑顔を見せ(私は怪しい人じゃないのだよというアピールのつもり。かえって怪しいかもですが)、くっついて歩く。
「ね、安倍さん……安倍総理って、どう思う? むろん評価してるって人もおられるし、それならそれでかまわないんだけどね。いろいろ若い人の意見、聞きたいなあって」
変なオバハンだな、と思ったのか。男性、クスッと笑う。
「うーん。あんまりいい印象は持ってないですね……」
「へぇぇ、そうなんだ。どうして?」
「学校でも、ときどき話に出るんですけど。みんな、何となくイヤだなと感じてて」
「学校? あ、学生さんなんだ。失礼だけど幾つ?」
「20歳です」
うわぁ。20歳! 実は私は彼のことを、20代後半かなと踏んでいたのだが。これは私だけでなく、後で「彼、学生だったよ」と話すと高橋さんもビックリしていた。見た目と実年齢が違う人って、いるんですよね……。
それはそれとして。
「大学でそういう話してるって、すごく頼もしいなぁ。興味ありません、と若い人に言われることもあるから、すっごく嬉しい」
「いや、話してるってっても」と学生さん、照れる。
別に政治的な問題という意識で話題にしているのではなく、「絶対、嘘ついてるよな」「だいたい、あの喋り方、気持ち悪いぜ」「あの奥さんてのも、変だよなー」程度の、たとえばタレントのゴシップについて喋るような感覚で話している、ということらしい。でも、それだっていいと私は思う。何の関心も持たないよりは、はるかに。(ちなみにカッコ内の言葉は、ポツンポツンと発せられた断片的な語を、私が頭の中で勝手にコトバふうに繋ぎ合わせたものです)
「ただね。あんまり好きじゃないけど、でもやっぱり安倍さんしかいないしぃ、という人も結構多いのよね。あなたはどう思う?」
そう聞くと、学生さんは「そんなこと、絶対ないです」と(彼との会話の中で初めて、語尾までハッキリした口調で)言い切った。
「安倍さん以外でも、人材はいるはずだって?」
「はい。誰がいいかとかは僕にはまだよくわかりませんけど、あの人しかいないなんて、そんな馬鹿な話ってあり得ないでしょう?」
いつの間にやら歩道橋を渡り、目の前にはデパートの入り口と地上に降りる階段が。話を聞かせてくれてありがとう、と言って見送った。

★60歳前後の男性
自分のほうから近寄ってきて、署名してくれた。話を聞くと、昔は国鉄に勤めていた由。民営化の時に国鉄を辞め、別の仕事に就いてきたという(どういうお仕事ですかと聞いたら言葉を濁したので、それ以上は追及せず)。
「自分も今の政権は本当に頭にきているし、改憲のことも冗談じゃないと思ってます。でも、何かやってるかと言われれば何もやってなくてね。恥ずかしいけど。だからホント、こうしてやっておられるのは偉いと思う」
真面目な顔で言われて、一瞬絶句。
「いやぁ。……多少ヒマがあるからやってるだけでして。仕事プラス子育てとか親の介護とかでアップアップしてたら、絶対やってませんって。こうやって署名していただくだけで、本当に心強いんです」と、あたふた喋ったことでありました。
これはホンネのホンネ。私は少し前には親の遠距離介護をしていたので、とてものことまともに政治的な活動など出来なかった。(ついでに言えば、やむにやまれぬ感覚でOLDsの活動に参加したのは母の介護が切羽詰まり始めていた頃。2度目の脳梗塞を起こして要介護度が跳ね上がり、ほとんど毎週のように東京と関西を行き来した頃だ。その前からやむを得ず縮小していた仕事をさらに整理し、当時の私は辛うじて土曜日の街宣に参加するのが精一杯だった)
だから、心から思う。人間誰だって、行動したくても出来ない時がある。声を上げたくても、上げられないときがある。その軟弱さをも、懐に抱き取りたいし、抱き取っても欲しいのだ。

★50歳代ぐらいの女性
「あの……改憲……反対、の署名ですよね?」と確認するように声を掛ける。 はいはいはいそうですそうです、と慌てて大騒ぎする私に笑顔を見せて、署名してくれた。ありがとうございます、ホッとします。

★40代半ばかな?と見える女性
チラシを受け取り、くっついて歩く私に曖昧な微笑を見せる。
「多分、あなたと同じこと考えてると思いますよ」
は? と懸命に笑顔を作る。
「私も安倍さんは大嫌い。あんな人に憲法触って欲しくないって思いますよ」 はあ……と、いささか間抜けな相づちを打つ。
「でもねえ」
「はぁ」
「疲れちゃって」
「はぁぁぁ……もう、なるようになれって?」
「そこまでは言わないけど」
こちらとしても上手い対応が出来ず、10秒か20秒程度、黙りこくって歩く。気まずい雰囲気を彼女の方も感じたのだろう。「まぁ……頑張って」と曖昧な言葉を残して風と共に去りぬ。ドドッと疲れた感じがしたのは私の気のせいか。

★高齢の(夫婦らしき)二人連れ。男性は80歳前後、女性はそれより10歳ぐらい若いかな
チラシは受け取ったが、話しかけようとすると男性の方が「わかってる」と厳しい声で遮る。
「それ、うちにもある。わかってるから」
「署名活動……なさっているんですね」と小さな声で尋ねると、「もう、わかってるから! 話しかけなくていいから!」と怒気を含んだ声で応酬。
その横で女性の方が軽く頭を下げ、「頑張ってね」と小さく声をかけてくれたので、何というか……安倍政権支持でないらしいことだけはわかったけれども。ただ、あの男性の不快感丸出しの声は、彼らの姿が視界から消えた後もベットリと記憶に残った。
自分は安倍政権にNOを突きつけているし、改憲にも反対だし、署名もしてるし。それなのに街を通ると、街宣で「あなたたちはバカだ」的な声を上げている連中がいる。一瞬、ムカッ……とする……という気分、実のところ私もわからないではない。私もよく様々な駅の前などで、署名活動にいそしむ人達と出会う。呼び止められれば話を聞くし、「そうですね」と頷いたり、「わぁ、そうなんですかぁ」と声を上げたりするけれども……これもホント実のところ、なのだけれど、「あんたに言われんでも、わかってるわさ」と頬のあたりが引きつることもマレではない(職業柄、極力そういう雰囲気は見せない習慣が出来ているけれど。百もわかっていることに対しても、初めて聞くようなパッショネートな表情を作るのが取材のコツ)。
安倍政権(あるいは自公政権)の愚をわかっていると思っている人達に、わざわざ幼稚園児に教え諭すように語ることで失うもの。
あるいは情報の海に溺れて針路を掴めない人達を、見通せないのはバカであると叱ることで失うもの。
私は心弱い人間の一人として、それらを心の底から怖れる。

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