週刊スガモ 2018年9月15日版

『週刊スガモ』(by野木)9月15日版

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徐々に涼しくなってきましたね。しばらく「秋」が続いてくれると助かるのですけど。近年、春と秋がやけに短くなり、「やっと暖かくなってきたと思ったらいきなり夏日」そして「長ーい残暑がやっと終わると、すぐにコートが必要な季節に突入」。

気候に文句を言っても仕方ないとわかっていても、やっぱり愚痴が出る……。

さて、今週も巣鴨駅頭行動のご報告まで。

★40代に見える女性2人連れ
チラシを渡して安倍政権に対する意見を聞くと、口々に喋り始める。

「だーいきらい」「何よあれ」「言ってること無茶苦茶だもん」「ウソばっかりだもん」「テレビで顔見るとゲッソリする」「誰でもいいから替わって、と言いたいわよ」……。

モリカケがとか、役人に責任押しつけて等々、機関銃の弾のように飛び出してくる言葉を「うんうん」「ですよね」と相づち打ちながらひとしきり聞いた後、改憲の話へ。

「安倍サン、憲法変えたいって言ってますよね? それが自分の使命だみたいに昂揚しちゃって」

「……そう言えば、そんなこと言ってたわね」と片方の女性。もう1人の方も、やや曖昧な口調で「9条変えるとか、何かいろいろ」。

それなりに新聞やテレビで情報を得てはいても、改憲の問題にはさほど関心がないということだろう。

関心が薄いものは、目も耳も素通りしていく。これは誰だって同じこと。たとえば私はスポーツに全く関心がないので、大坂さんという選手のことは全く知らなかったし、彼女が優勝したテニスの試合のことも実は今回初めて知った。へえ、そういうのがあるんだと言って、連れ合いに「よくマスコミの仕事してるね」とあきれられました。「あたしゃスポーツ記者じゃねーもん」と言い返しましたが……。

あ、また余談に流れた。

ともかく「強い関心はないこと」「でも、知らないわけではないこと」はわかったので、

「憲法変えるって、どう思われますか」と尋ねてみる。

「変えない方がいいと思うけど……」

モソモソ、という感じだったのだが、私が「安倍サンは、70年以上変えてない憲法を変えることにチャレンジするんだ、みたいに言ってますよねえ?」と言った途端に、2人共いきなりエンジンがかかった。

「70年以上変えて来れなかったというのは、要するに、それだけ重いものだったということじゃない?」と片方が早口に言い、もう1人も「そうよねえ。だから今までの総理大臣、誰も手をつけなかったのよねえ。思いつきみたいに変えられちゃ、困るわよねぇ」と続ける。

「いったい憲法のどこがマズイのって、言いたいわよねぇ」と言いながら、2人共に署名してもらいました。

★70代後半~80代前半に見える男性
仲間からチラシを受け取ったので、さりげなく話しかける。まず安倍政権についての意見を聞くと、「安倍はダメだね。お坊ちゃんで。でも、ほかに人材がいないから仕方ないだろ」

「はぁ。そんなにいませんか」

「いないね。今の野党なんかにやらせたら、無茶苦茶になる」

「野党じゃなくてもですね、自民党の中でも安倍首相に代わる人材はいないと思っておられる?」

「ああ、いないね。みんな小粒でさ。五十歩百歩。それなら安倍にやらせときゃいいって、みんな思ってるのさ」

「しかしねえ……五十歩と百歩はやっぱり違うわけで。安倍政権では不安だとか、思わないんですかね」

「あんまり思わんだろ。株が上がって儲かってるのが結構いるし」

「へぇ……そんなにいるかなぁ。私の周囲なんか、1人もいませんけど」

「いるんだよ。社員の持ち株制にしている企業多いからね、サラリーマンだって少しずつでも懐が潤ってる」

「でもそういうサラリーマン、本当に多いですか? 最近は非正規も増えてますよ」

「非正規で働いているのはね、厳しい言い方かも知れないけど能力がないの」

「ふーん。能力、ですか。でも氷河期って言うのかな、すごく就職難だった時代があるでしょう? あの頃に非正規職に就かざるを得なかった人達、大勢いますよ。彼らも、そろそろ中年ですしね。自分の老後に絶望感抱えてたりすると思うんですけど」

「だから能力だって。どんな時代でも、能力のある人間は評価されるんだから。40だろうが50だろうが、能力があれば生き残れる」

あ、そうでっか。……こういう能力(=カッコつきの能力)至上主義の人って、疲れるなあ。あたしゃ株で儲けたりしてませんよ、無能で悪かったねと言いたくなるのを呑み込む。

「商店街だって」と、オジサン、まだ続ける。「シャッター商店街がどうのこうのと言うけど、能力のある店は生き残ってる」

はいはいはい、わかりましたわかりました。いつまでも聞いてるわけにはいかないので、やっとこさ話を元に戻す。

「さっき、みんな小粒でと言われましたよね? そうするとですよ、3年後が心配になりません? 安倍首相が三選しても、それで任期は終わりですよ。泣いても笑っても3年後は別の人が首相になるわけで。そんな人材難で、自民党、どうすンでしょうねえ」

「どうするんかね」と言い、いきなり「明治維新の時は」とまたもや妙な話を始める。西郷隆盛、大久保利通、坂本龍馬、……等々の「ひとかどの人物」が輩出した。それに比べて今の政治家は……うんぬん。

オジサン、あなた大河ドラマの見過ぎと違いますか。それとも司馬遼太郎あたりの歴史小説の読み過ぎとか。

3分ぐらい明治維新の話を聞かされたが、(ニコニコして耳傾けるふりをしていただけで)ほとんど聞いていなかったので、内容は覚えていません。意識的に「聴」かなければ、頭のなかのメモ帳には記録されないのだ。

「日本もね、織田信長みたいなリーダーが出なきゃダメだよ。信長はね……」

わっ。とうとう信長まで出て来た。すごい英雄史観。やっぱりオジサン、司馬遼太郎とか読み過ぎですよ。どうせなら、南條範夫の『牢獄』でも読みなはれ。

能力至上主義で英雄大好き。こういう人が自分の親兄弟でなくてホントによかった。これ以上聞いてると頭痛がしてくるので、慌てて話を変える。

「あのう、それはそれとして。安倍首相は憲法変えると意気込んでますよね。これについてはどう思われます?」

内心、改憲賛成なんだろうなと思って尋ねたのだが、なんと。

「憲法? あれは変えちゃダメだ」

「……わっ。9条も、全部変えちゃダメ?」

「ダメだ。あの憲法はね、天皇制護持と引き替えに呑んだもので、昭和天皇の御名御璽が入ってるんだ。無条件降伏を受け入れたのは天皇の意思なんだ」

ははあ……これはまた珍しいご意見。一種の右翼なのかしらん。

まあ何でもいいや。ここまで話を聞いたのだから、せめて署名ぐらいはもらわなくっちゃと「ではですね……」と促すと、「急いでるから」と言ってサッと身を翻して言ってしまった。

えっ、あれだけ喋っておいて? そりゃないでしょう……時間をムダにしてしまったかなあ。

★90歳前後の女性
仲間からチラシを受け取り、署名もしておられたのを見てササッと近寄る。

「私、耳が遠くて」とのことなので、さらに肩が接するほど近づく。

「改憲なんか、絶対にダメですよ。……9条を変えるなんて、ほんとに怖い。下手すれば本当に戦争になりますよ。でも最近の若い方には、なかなか通じないのよねえ」

「戦争の危険性に対して、リアルな感覚がないのかも知れませんね」

「かも知れないわねえ……」とため息。

「ですからね。少しでも戦争を知ってらっしゃる方に、その経験を伝えていただきたいなぁと思っています」

はいはい、とニコヤカに答えて下さいました。

★女子高校生2人連れ
交差点の前でチラシを受け取ってくれたので、少しだけ会話。

「ね、ちょっと意見聞かせてもらっていい?」

はい、とニッコリ笑ってくれた。

「安倍総理ね、あの人にどんな印象持ってる?」

顔を見合わせてウーンと首ひねった後、片方の少女が「総理大臣、っていう印象しかなくて……」。

もう一人もウンウンと頷く。

「うーん。あんまり関心ないのかなぁ?」

「ですねぇ。……でも……」

「でも?」

「あの人、憲法、変えるんでしょう?」

少し認識が違ってるような気がするが、それはまぁいいとして。

「変えたい、と言ってるよねぇ。すごくしつこく」

ここで信号が青に。立ち止まったまま付き合ってくれる風情だが、「渡りましょうか」と促す。

一緒に交差点を歩きつつ、「憲法変えるんでしょう?」と聞いた少女が「それで戦争になったりしたらイヤだなあって」。

「憲法変えたら戦争になるかもって、心配なのよね?」

「よくわからないけど……テレビとか視てて、うちの親が言ったりしてますから」

「そうなんだぁ。……私達も、よっく考えなきゃね。で、ご両親とそういう話したりもする?」

「はい、たまに」

もう1人の少女の方は、「うちではそんな話、全然しない」とポツリ。

政治や社会のことを、さりげなくでも話題にする家庭としない家庭があるんですね。

先週の大宮編でもちょこっと書いた気がするが、「家庭内での両親や祖父母の会話」を情報源にしている若者(中学生から20歳前後ぐらい)は少なくない。断片的にではあっても、小さい頃から毎日のように聞いていれば自然に刷り込まれる。あるいは少なくとも頭の隅に残る。

10代の人達の意見には、親世代、祖父母世代の考え方が結構反映されているように思う。ほんと、皆さん責任重大ですよ。

「高校生?」

「1年生です」

「もう2年もしたら、18歳よね」

「はい。選挙権、もらえるんです」と、オバサンが何を言いたいか察してますと言いたげな返事。

「じゃあ、やっぱり政治のことにも関心持ちますよね?」

「はい」

「安倍首相には特別な印象はないっていうことだけど、そのほかの大臣や何かはどう? なーんか、女性に対して上から目線の、偉そうなジーサンばっかりだと思わない?」

少女2人、ウフッと笑って頷く。

また「ジイサン」への軽い反感&嫌悪感を利用してしまった。OLDsの皆さま、すみません。

「女は3人以上子どもを産めとか、勝手なこと言うオジーサンがいっぱいいるでしょう。わたしなんか、すごく不愉快」

この「3人以上」の発言については初耳だったらしいだが、「自民党の人達が何となく女性をバカにしているふう」な印象は持っているようで、その話で少しだけ盛り上がる。

「これから大学進学して、就職して、そんな時に女性だからって差別されるのはイヤだものね。選挙権持ったら、そうじゃない人を選んでねッ」というところで会話はおしまい。安倍改憲NOとはズレた話をしてしまいました……。

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