『週刊スガモ』2019年2月16日版

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『週刊スガモ』(by野木)2月16日版

1月はいぬる、2月は逃げる、3月は去る、なんて言いますけれど、ホントに時間の流れって早いですよね。気がついたらもう2月も半ば過ぎじゃん。焦るなぁ~と思う気持ちを、ちょっと戒めて。
少し寒気が緩むと、チラシの受け取りもよくなります(あ、私の話じゃないです。私はあいかわらずボチボチ)。やっぱり冷え込んだり目眩がするほど暑い時って、いろいろなことに関わりたくなくなるんですよね。
……というわけで、今週のご報告。
★60歳前後の女性
改憲の話は「まだよくわからない」けれど、安倍政権は「大嫌い」であるという。
「嘘をついてもね、数を持っているから大丈夫だという、ああいう傲慢な感じがとても嫌」と顔をしかめる。署名については腰が引けるふうだったが、まぁいいや。チラシ、読んでくださいネ。

★40代後半~50歳前後かな?と思える女性
渡したチラシを広げて見ながら、「どこの党ですか?」と尋ねてくる。
「いえ、どこかの党や組織に属しているわけではなくて」と、中に挟んだOLDs自己紹介チラシを指し示すと、「でもあの人、立憲民主党の支持者じゃない?」。

あの人──というのは、その時にスピーチしていた誰かのこと(ごめんなさい、仲間のスピーチにあまり注目してないんで、その時に誰が喋っていたか忘れました。別にスピーチ軽視しているわけじゃないのだけれど、道行く人に話しかけることで、いっぱいいっぱいなんです……)。どこかの政党と見まがうスピーチをする仲間はいないと思うが、言葉の断片が立憲民主党の誰かの発言と重ね合わせて聞こえたのかも。

付いて歩きながら、モソモソと話をする。
「まぁ、仲間の中には立憲民主党の支持者もいるでしょうし、共産党に近いとか自分は社民党に入れるとか、いやいや、もっとマトモであれば自民党でもかまわないって人もいると思います。でもそういうのは置いといて、ともかく安倍政権はもうたくさんだと。こんなデタラメし放題の政権に、憲法のような大切なものを玩具にされたくないって」と慌てて言う。ほんともう、私はこればっか。

こういうのは唾棄すべきポピュリズムだという批判があることは百も承知。だんだん、自分がヤになってきたりしますよ正直言って。だってさ、語弊があるかも知れないけれど……ストレートに自分の思っていることをぶつける方が、気持ちの上で楽だもん。でもねぇ、今は正念場でしょう。背水の陣でしょう。ちょっとでも耳を傾けて、改憲急ぐのは変だと思ってくれる人が増えることだけが目下の願いなんですよね。

「憲法のこの部分、変えた方がいいんじゃない?という方はおられます。それはそれでちゃんとした意見だし、議論すればいいと思うんですよね。でもね、そういうのはゆっくり時間をかけてやるべきで、少なくとも今の政権下でバタバタッと進められちゃうと、後で絶対に後悔するだろうなって。自衛隊の募集に差し支えるから改憲しようとか、何それみたいなこと言ってるんですよ?」

うんうんと女性は頷いて、ニッコリ。「何か、わかる。言われてること、わかります」
おぉ、わかってくれましたか。
「絶対に護憲じゃなきゃダメと言われると、それもどうかな~と思いますけど。私も安倍政権って危険で、憲法の話なんかする資格ないって思いますよ」
はい、署名していただきました。All’s Well That Ends Well──終わりよければすべてよし(ん?)。

★70代後半~80歳前後の男性
自ら近づいて来てチラシを受け取り、署名もしてくれる。
安倍政権については「最低・最悪」と一言。
「民主党政権の時はどうとかって、すぐ言うけどさ。はっきり言って、民主党政権のほうがよかったよ」
「ですね。まずいところもいろいろあったと思いますけど、ここまで無茶苦茶じゃなかったですよね」
「いろんな数字もさ、今ほど悪くなかった気がするんだよな」
★70代ぐらいの男性
署名してもらう途中で、「安倍政権下でなければ改憲してもいい、と言う人もおられますよね。それについてはどう思われます?」と聞いてみる。
すると即座に「どんな政権だって、憲法変えちゃダメだよ」とバッサリ。その後、問わず語りに「今の政治家はフェイクなんだよ」と続ける。どういう意味で言っているのか正確なところは掴めないが、言わんとするところはわかるので黙って頷く。
「それを国民の40%以上が支持しているって言うんだからね。バカばっかり。日本人はどうしようもない」

いや、どうしようもないっていうご意見はいいんですけど。「日本人は馬鹿だ」と天を仰いで嘆くのはいいとして、嘆いているだけでは何も動かないわけで。

この男性も実際に何かの行動をしておられるのかも知れない。署名活動などはやらなくても、たとえば周囲の人たちと少しずつ話をするとか。それならばゴメンナサイなのだけれど……で、この方のことではないけれど、時々「日本人は主体性がない」「日本国民は愚か」「今の若者は無知」等々の言葉を聞くことがあり、実のところ私はそのたびにイラッとするのだ。それって、やはり俗に言う「上から目線」じゃん。

私たちは評論家でもテレビのコメンテーターでもないのでね。「大衆ってのは空気ばかり読んで付和雷同するからダメなんだよな」なんて言ってればそこそこ気持ちいいかも知れないけれど、私たちもその大衆の一人なんだ。
世間体を気にしてオロオロと周囲を見回し、時には心ないお世辞を言い、貯金通帳の残高に怯え、人身事故のため電車が止まってますなどというアナウンスを聞くとつい「あ、1台前に乗ってよかった」なんて思ってしまう愚かで薄汚い大衆の……自分もその一人であると自覚した時に、私たちは初めてその状況と真向かうことが出来ると思うんですよね。少なくとも私はそうだ。「ボヴァリー夫人は私だ」と言った、フローベールじゃないけどさ。
★60代半ばぐらいの女性
仲間からチラシを受け取っていたので、信号の手前で近づく。これこれこういう署名……と簡単に説明すると、「そうね……」と首を傾げる。
「今の政治のやり方って、ごり押しでしょう。そういうのは好きじゃないけどねぇ。でも、世界情勢とか見ると、やはりいつまでも今のままの9条でいいのかなって思うし」
安倍政権のやり方には大いに疑問がある。でもその話とは別に、「(日本の安全を守るために)改憲はした方がいいかも」派だ。こういう人って、私の感触ではけっこう少なくない。「北朝鮮が、韓国が、中国が」と敵を作って不安を煽り立てる安倍政権の戦法が、それなりに功を奏しているようだ。

こういう人と話をするのは、ちょっと骨が折れる。とりあえず相手の感覚の程度を確かめなくては……。
「やっぱり、ちゃんとした軍事力とか持たないと、と?」
「そこまでは言わないけどねぇ……自衛隊はきちんと位置づけておく方が安心だし……」
うーん、困った。皆さんそのあたりよくわかると思うのだが、改憲の問題でもその他の問題でも「何となく」という人──よくわからないけど何となく心配とか、よくわからないけどあってもいいんじゃないかとかいう人──が一番困ると言うか、話しにくいんですよね。「ぼんやりとした不安」って、芥川龍之介の遺書じゃないんだから。
誰かの受け売りでも間違った情報に基づくトンデモ意見でもかまわないが、具体的な話をしてくれるとこちらも対応しやすいのだけど。つかみ所のない言葉が出て来ると、うっかりすると禅問答になってしまう。
メゲてたまるか……という感じで「今だって自衛隊は十二分な力を持っていると思いますけど?」とソロリソロリ話しかけたところで……。

★話の途中で、70代半ばぐらいの女性が
前記の女性と言葉をかわしているところに、自転車で通りかかった人。チラッとこちらを見て「安倍政権はダメよ」と口を挟んだ。
「でも、どうしようもないわよ。私たちは何なの力もないんだから」
そう言い捨てて、行ってしまわれました。自転車では追いかけるのも難しいので、ポカンと見送るのみ。ついでにさっき話していた相手も逃がしちゃいました。残念。

そりゃまあ高齢者と呼ばれる年になれば、人生の終わりが間近に迫っているわけですからね。身体のあちこちにガタが来るわ、少ない年金のやりくりで頭を痛めるわ……で自分のことを考えるのが精一杯かも知れないし。自分が死ぬまでにはひどいことにならずに保つだろうという、一種のエゴイズムに絡め取られもするだろうし。「どうしようもない」とため息ついてるのもアリかも知れませんが。そして、そういう感覚もかなりわかったりするのですが……その感覚をちょっぴり恥ずかしいなとも思いたいんですよねえ。

★50歳前後の女性
「安倍総理? だーい嫌い」
女はみんな、あの人嫌いよ──と言う。
みんな……と言うのは言い過ぎだと思うが(安倍さん大好き女性もけっこうおられますし)、彼女の周囲はそうなんだろうなと受け取っておく。まあ、どちらかというと女性の方が安倍政権支持率が低めなのも事実だし。
「女性をバカにしてるって感じ、しますものねー」と、これまたいつもの「安倍政権は男尊女卑」論(?)を持ち出してみる。
「麻生さんとかもイヤだけど、あの人はまだわかりやすいのよね。安倍総理は麻生さんみたいに露骨に言わない分、逆にズルイと思う」
「ズルい。そう言われればそうですねー」
「でしょ。ごまかそう、ごまかそうってしている感じ」
そんな安倍政権に……と言いかけたところで、「じゃ、ね」と背中を向けられてしまいましたが。

★「安倍サン嫌い」「安倍政権に不信感持ってる」という人は、実感としてかなり多い。だがそれが「安倍改憲NO」に結びつくとは限らないのが、悩ましいところである。
むろん結びつく人もいるけれど、その一方で「でも仕方ない」と諦め気分の人や、改憲の問題については「わからない」と尻込みする人も多いのだ。彼らにどうやってアプローチしていくか。相手を責めたり軽蔑したりするのではなく、感情を共振させながら引き寄せていくにはどうすればいいか、ほんと……悩ましいですよね。

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