『週刊スガモ』2019年3月2日版

『週刊スガモ』(by野木)3月2日版

3月2日は、桜が開花するんじゃないかと思うような暖かい1日でした。でも晴れて暖かい日は花粉症の症状が出やすく、それが悩み……。私はスギばかりでなくイネ科の植物やヨモギなどいろいろな花粉に対してアレルギーがあるみたいで、真冬以外はだいたい「鼻水が~」とか「眼がかゆい」などと言っているのですが、やはりピークは(最もよい季節であるはずの)春と秋。強い症状に悩まされている方から見れば大したことないのですけれども……もともと低めのパッションがますます下がるのは困りもので。  ともあれ、鼻をグシュグシュいわせながらの活動となりました。

★70代半ば~後半ぐらいの女性
駅頭の案内板の前で、腰を掛けて休んでいた女性。チラシを渡すと「どういう団体?」と聞かれたので、OLDsについて簡単に説明した。
「特定の政党や組織とは関係ない、その辺のジイサンバアサン中心のグループ」ということで安心したのか、「自民党はもう、いい加減にして欲しいわよね」と向こうから話を始める。「公明党も本当に腹が立つわね。ベッタリくっついちゃって」
失礼しますと断って、隣にチョコンと腰を下ろす。

「でもねぇ、野党もだらしないのよ」
こういう(何だか評論家みたいなことを言う)人って、結構おられる。「野党がだらしない」と言ってるだけでは何も変わらないと思うが、まぁそんなことは口にせず「そうですねぇ」と頷いておく。
「反対反対と言ってるばっかりで、どうしようもない」
これもよく聞く意見(?)なんですよね。マスメディアの影響だろうか。うちにテレビがないのでテレビの報道の仕方は(話に聞く程度で)よくわかっていないけれども、新聞の報道については読者としてかなり文句はある。見出しの付け方などいつも判で押したように「野党は反発」。新聞社の整理部の質が、どんどん落ちてるみたいな気がします。

まあ、それはそれとして。
「それは与党が出してくる法案が、酷すぎるからじゃないですか? ダメなものはダメというのが(わっ。土井たか子さん思い出した)、野党の役割かと思いますけど」。
相手の女性は私の言葉に反論はしないものの、そうかしら?と言いたげな、ちょっと不満そうな表情。
「それなりに頑張ってるかなとは思うんですよね……まぁ、国会であれだけの数をとられちゃってますからね。強引に押し切られちゃってる、という感じはありますよね」と私が続けると、「まあ……ねえ」。シブシブの感じで頷く。
「せめて今年の参議院選挙で自民・公明・維新の数を減らさないと、憲法だって強引に変えられちゃいそうですし」と、ようやく改憲NOの話に手が届くところへ。

自分はずっと選挙に行ってる、と彼女は言う。自民党・公明党にはめったに投票したことはなく、「たいてい野党に入れる」のだそうだ。特に支持政党があるふうではなく、「共産党に入れたこともあるし、民主党に入れたこともあるし」。つまり反自民無党派層ということですね。
「でも、ちっともよくならない。民主党は幾つかに分かれちゃって、何がどうなってるのかわかんないし、共産党も何をやりたいのかよくわからないし」
私に言われても困るんですが。
ともかく改憲はストップさせないとヤバイ……ということは何とか一致して、署名していただきました。あーよかった。
★60歳前後に見える男性
向こうの方から手を出して、チラシを受け取ってくれる。手元のチラシと、正面の横断幕&プラカードをチラチラ見比べながら、「安倍政権ねぇ」と口を尖らせる。
「どうしようもないやね。沖縄のことでもさ。……真摯に受け止めるなんて、嘘ばっかり」
新しい基地なんか作っちゃいけない、基地が必要なら沖縄以外で引き受けるべきだという意見をひとくさり。
ちなみに辺野古新基地建設に反対する人でも、日本の米軍基地存続については意見が分かれる。私は米軍基地は不要だと思っているが、道行く人たちとの会話のなかで、それについて議論する気はあまりない。少なくとも「沖縄にこれ以上基地はいらない/辺野古の海を埋め立ててはいけない」であれば(今のところ)御の字、と思っている。

「昨日、沖縄の知事が東京に来たよね。えーっと、名前、何て言ったっけ」
固有名詞が出て来にくい年齢になっているのはわかるが、玉城知事の名前ぐらいは覚えておいて下さいよ……毎日のように新聞にも出てるんだから。まっ、いいけど。
「玉城デニー知事」
「そうそう。会って話聞いて、それでも基地建設は進めるっていうんだから。真面目に受け止める気なんか全然ないわけさ」
本土の人間もねえ、とさらに話を続ける。「他人事みたいに思ってて」。
「本土の人間は……私なんかもそうですけど、近くに基地がないからピンと来ないところがあるんですよね」
「いや、東京だってあるよ」
「あることはありますね。……横田基地。ほかに神奈川県にもあるわけですけど、沖縄と比べれば全然少ないですからねぇ」
「横田にはさぁ。オスプレイが配備されたでしょ。あれが東京で落ちたら、初めてこっちの人間も他人事じゃなくなるんだろうね」
何処だろうと落ちたら困るのだが、彼の気持ちはわからないでもない。

話は安倍政権の「強引なやり方」全般に移る。
「次々次々、強行採決だろ。文書の改ざんがあろうが、答弁がいい加減だろうが、知ったこっちゃないって感じでごり押ししてくる」
「ですよねぇ。……ため息が出ちゃいますね」
「何かねぇ。もう多勢に無勢という感じで、どうしようもないっていう気になるわねぇ」
まあ……その気持ちもわかるんですけど。
「でも諦めたらおしまいですし。まぁこういう署名もですね、どれだけ効果があるのかって言う人もおられますけど。それでも意思表示はしておきたいなぁって思うんですよね」
まぁそうだよな、という感じで署名してもらいました。
★50代ぐらいの女性
自転車に乗って信号待ちをしていた人。チラシを受け取り、「これこれこういう署名を……」という説明も黙って聞いてくれる。
ところが、である。「ご意見、聞かせていただいていいですか」と言った途端、慌ててブルブルブルブルと首を振り、一目散に風と共に去りぬ。
名前や住所を聞くわけじゃなし、意見ぐらい(単なる感想、程度でも)聞かせてくれてもいいのになぁ。
「私はこう思う」と言うのを、何かとても大層なことのように感じる人ってとても多い。特に女性。徹底した男尊女卑の教育を受けた世代ならまだしも、中年世代や若い世代でさえ。この国の底に澱のように溜まった「女は……」感覚にことあるごとにカミソリで皮膚を切られるような思いがして、目眩がしそうになる。まだ夜は明けぬか。
★女子高校生たち
向こうからやって来た3人連れ。交差点を渡りきる手前で私の方をチラチラッと見、何か囁き交わして大きく迂回。「またやってるよ」とでも言ってたのかな。
別に無理矢理チラシを押しつけたり、強引に説得にかかるわけじゃないんだからさ。そんなに嫌がらなくてもいいじゃない……。凹む。

★30代ぐらいの男女二人連れ
仲間から受け取ったチラシを見ながら、小声で何やら囁き交わしている。シレッと近づいて署名活動の説明をしたところ……中国の人でした。どうやら、日本文が読みづらくて「これは何なのか」などと言い合っていたらしい。
巣鴨で署名集めしている時、話しかけたらアジア系の外国人だったということは結構多いんですよね。特に若い人の場合、ニッコリしてチラシ受け取ってくれたら半数近くは外国人という印象も……。
チラシを受け取ってくれる若い人の半分ぐらいが外国人、ということではありません。日本人は仏頂面(あるいは無表情)で受け取る人が割と多いんですよね。外国人の方が愛想がいいんです。
彼らは異国だからと気を遣っているということもあるだろうが、それよりも日本人全体がどんどん無愛想になっている気がする。
笑顔はタダですよ、皆さん。

★自転車に乗って通りかかった父子連れ
交差点の手前で信号待ちをしながら、子ども(小学校3~4年の感じの女の子)が父親に「ねぇ、またケンポーって言ってるよ~」と大声で話しかけるのが聞こえた。すかさず近づいて、「前にも聞いたことがあるのかな?」と話しかけてみる。ウン、と頷く向こう側で、若いお父サン、恐縮したように「すみません」とペコリ。
「いえいえ、とんでもない」と笑って見せ、ついでにチラシを渡す。「ケンポーという言葉を覚えてもらうだけでも嬉しいです」
お嬢サン、興味深げな顔つきでこちらを見上げているので何か話をしたいが、さすがに10歳になるかならないかの子どもとの会話は苦手で……(子育て経験の無さが、こういう時に響く)。

いきなり「憲法うんぬん」の話もできないので、「しっかりしてるね」と少しお世辞を言い、「大きくなったら何になりたいのかな」とラチもない世間話(?)を。
答えは「パティシエ!」。
OLDsの仲間は知らないかも……。洋菓子職人のことですからね。最近人気の職業のひとつだそうで(マンガかアニメの主人公になったのでしょうか。そのあたりについては私は知らないのですが)、そう言えば小学生を対象とした調査では「将来就きたい職業」の上位5位に入っていた、とどこかで読んだような。
「わぁ、いいなあ。頑張ってね」
はーい、と嬉しそうに笑う。さて、次に何と言葉をかけようか。「ケンポーって、何だと思う?」とでも聞いてみようか。それとも「学校で教わった?」だろうか。
……と一拍置いちゃったのが運の尽き。お嬢サンの向こう側にいるお父サンが、「では~」とまた頭を下げ、二人してスイスイと自転車を走らせてしまった。
ま、チラシ読んでいただければ。……それと「ケンポーケンポーと言ってるのは、別に特別の人たちじゃないよ。軽い話もする、フツーのジジババだよ」という印象を持ってもらえれば、まあちっちゃな収穫かなと思っておきましょう。お嬢サンと世間話している間に、(最初はちょっと警戒気味だった)お父サンの表情が緩んだし。うん、子ども連れの人には、子どもに他愛ない話しかけをするのもひとつの手かも。将を射んとすればまず馬を射よ……じゃないけど。

★以下、ごくしょーもない余談です
上記のエピソードを文字にしながら、いきなり思い出したのが江戸時代のこんな川柳。
「釣れますか などと文王そばに寄り」
隠遁して釣り三昧の生活を送っていた太公望を、西伯昌(後の周の文王)が辞を低くしてブレーンとして招いたというのは、『史記』に書かれた割と有名な話。その故事に引っかけた川柳ですね。
いきなりブレーンになってくれなどと正面突破したのでなく、そろそろと近づいて釣り談義をし、充分にコミュニケーションした上で本題に入ったんだろうな、と川柳子はうがって見せたわけだ。
これって多分、初対面の人(あるいは互いによく知らない人)との巧いコミュニケーション方法のひとつ。幟旗を立て、横断幕を広げた巣鴨行動などでは難しいかも知れないが、ちょっとした知り合いに改憲の話や沖縄の話をする時はこれもアリだな、と改めて思いました。そんな悠長な!というお叱りもあるかと思うのですけど、まぁ何と言うか、急がば回れ。

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