『週刊スガモ』2019年4月6日版

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4月7日・日曜日の夜。あ、そろそろ『週刊スガモ』書こうかなっ……などと思ったところへ、ラジオで地方選の速報(うちはテレビはないのですが、ラジオはあります。一応ニュースや天気予報を聞いておくだけですけれど)。大阪のダブル選挙は維新勝利──という報に接して、ドドッと疲れました。自公はむろんトンデモナイ政党ですけれど、維新という政党のアヤシさ(怪しさ、妖しさ……あてはめる漢字は読まれる方の感覚でご自由に)も常に私の神経をささくれ立たせる。
いわゆる「野党」が全部オッケーなわけではない。どの政党に対してもいろいろ文句はあるのですが、ともかく今の状況を変えるために細かいことは眼をつぶって応援したい。80点90点は求めない。ギリギリ合格点ならいいよ、という気持ちがあります。秀優良可で言えば、可でいいよという感じですかね(そのぐらい、せっぱつまってもいるわけで)。
でもねえ……いくら何でも維新だけは御免被る。単なる自民党の補完勢力でなく、新しげな顔をしているだけに、ある意味で自民党よりも怖い。以前OLDsで「投票先」を尋ねるシール投票をしたとき、若い人で「維新支持」を表明する人がやや目立ったことを思い出す。単なる雰囲気に過ぎないのだけれど、現在の閉塞状況を突破出来るかのような「新しさ」の演出に彼らは成功している。こういうイメージがナチスの台頭を許したのではないか……などと恐怖しつつ、大して飲めもしない酒飲んで寝てしまいました。

余談はさておいて、ま、淡々とご報告に移りましょうか。
いつもはたいてい「会話した相手」ごとにまとめているのですが、今回は会話した方の傾向は二つにはっきり分類されるので、その分類に添って分け、適宜、中見出しを付けました。(これからはその日その日に得られたものによって、書き方も自在に変えていこうと思います)

★安倍首相大嫌い、という人たち

《話は元号談義から……》
チラシを受け取って署名してくれた、50代前半ぐらいに見える女性。署名しながら、「ねえ、新しい元号だけど」と話しかけてくる。「令和の令って、命令の意味でしょ?」
「そうですね。上から何か言いつけるとか、それから掟とかの意味があるようですね」
「すごく安倍政権的、よね?」と言い、「私は、レイはこの字がいいと思うの」と、チラシの隅に「礼」の字を書く。
「礼節と平和の国という意味で、礼和。いいでしょ?」
「なるほど……。そうやって、元号のこと考えて見るのもいいことですよねえ」(どんな字であってもあたしゃ元号は反対でして……などとは言わないことにする)
彼女も「安倍首相は大っ嫌い」だそうだが、「私ねえ、母親の介護があってほんと疲れちゃってて、何も出来ないのよ。だからせめて、こういう署名ぐらいはいつでもやるの」
いえいえいえ、と私は首を振って見せた。「署名だって大切な意思表示の行動だと思いますよ。それに誰だって、生活がありますもん。まずはそれにエネルギー使うのが第一ですよ。私だって、時間がある時にちょこっとやってるだけで」
《もう顔見るだけで気分悪い》
60代半ば~70歳前後に見える二人連れの女性。チラシを受け取り、二人とも署名してくださいました。
改憲には反対だし、それにもう何より「安倍サン大嫌い」とのこと。どこが嫌いかと尋ねると、「ぜーんぶ。何もかも。テレビで安倍の顔が出て来ると、それだけで気分が悪くなる。何とか引きずり下ろせないものかしらねぇ」。
ほかに署名してくれた人たちも、異口同音に「安倍大嫌い」でありました。あまり具体的な話は聞けなかったが、「もうウンザリ」「顔見たくない、声も聞きたくない」のオンパレード。庶民の何割ぐらいになるのかはわからないけれど、ともかくある程度の割合の庶民にこれだけ嫌悪感を持たれた首相というのも、珍しいんじゃないかなあ。むろん何となく反感持たれたとか、白眼視されたとか、あるいは影が薄くて名前もろくに覚えてもらえなかった……などという首相は枚挙にいとまがないけれど。

★また確信犯的改憲派のオジサンたちがいた!

《相も変わらぬ押しつけ憲法論》
60代とおぼしき男性二人連れ。チラシを差し出すと片方が「憲法は変えなきゃダメだよ」と大声で。
「あ、改憲賛成なんですか! なんで? なんで? よかったら理由、聞かせてくださいな」とシレッと尋ねると、一応会話の相手になってくれる(そのことがいいか悪いかは知らないが。時間のムダ、かも知れませんけどね)。
「今の憲法はマッカーサー憲法なの」と、片方の(今し方、憲法変えなきゃダメと言った方の)オジサンが答える。会話は主に彼との間で進んだ。
「ははぁ……押しつけ憲法だからダメ、という話ですね」
「そう。いつまでも押しつけられた憲法を後生大事に守ってるなんて、独立国として恥ずかしいでしょ」
ははぁ……なるほどなるほど、と頷く。「じゃあ、自主憲法派というか、一から作り直そうという考え方ですか?」

「それも現実問題としてなかなか難しいからね。ともかく今の憲法を、少しずつでも変えていくしかないだろう」
「押しつけられたのが恥だっていうのならねえ。手直ししたら、その恥を払拭できて全部チャラになるとは思わないけどなあ……。ま、それはそれとして。少しずつ変えるって、何処を変えればいいんです?」
「テニヲハとか、随分おかしなところがあるんだよ。そんなところを直すだけだって充分意味がある」
へーえ。何だが、「押しつけられた憲法だから嫌で仕方ない→→→ともかく一文字でも変えたいんだッ」とダダこねてるふう。制服の押しつけが嫌だ~と言い、ワンポイント刺繍の入った靴下履いたり、スカートの裾丈変えたりして「反逆しているアタシってすてき」と悦に入ってる中学生みたいなこと、言いなさんなよね、いい年してさ。

《日本も軍隊を持とう!だそうです》
もっとも、彼自身が一番変えたいと思っているのは「やっぱり9条」。それも安倍首相が猫なで声で「何も変わりませんのですぅ」と言ってるのは表向きで、実は国軍創設が最終目的だということもシッカリ理解している。
何だかねえ。いろいろ話をしていると、改憲賛成の人は「わかっている」みたいなんですよね。わかってて、「軍隊持つなんてヤダ」という(彼らから見れば)分からず屋達をとりあえず誤魔化すために、ワンステップとして自衛隊を書き込むのだと……ちゃーんと理解しているようなのである。
だから猫なで声に騙されないようにしようねと、もっと巧く伝えていかなくちゃなあ、私たちも。
「軍隊も持たないで、独立国ですなんて大きな顔はできないんだよ」とオジサン。「世界中で、正式な軍隊を持たないのは日本だけだ」
「え~。そうかな~。それって言い過ぎ。コスタリカとか、軍隊持たない国はほかにもありますよ~」
「そ、そりゃ、そうかも知れないけど」と、オジサン一瞬ひるむ。「でもほとんどの国は軍隊持っているんだ」
軍隊軍隊と、うっせぇなあ、もう。この「強いことはいいことだ」のマチズモ野郎が(……とは口に出しませんです。喧嘩するのが目的じゃないので)。
《少しは違ったこと言えないの?》
それにしても、改憲賛成という人たちの「賛成理由」は、判で押したように決まっていることにいつも驚く。むろん言葉の細かいところは違っていますけどね。どこから仕入れた情報なのか、どこで刷り込まれたのか知らないが、完璧に思い込んでいるんだろうなあ。
10代20代の人がそう言うなら、「ああ、知らないんだな」「周囲からそう聞かされてるんだろうな」と納得(?)するけれど、いい年してこれでは……。
聞きかじりはもうたくさん。たまにはユニークな改憲論、聞きたいよ。

もっとも……こんなこと言うと怒られるだろうなあと思いつつ……なんですけど、改憲反対の人たちの「理由」も、割と言葉が平板というか、パターン化してる面はなくもない。
時々、9条の会などの人たちがチラシ配ったり署名活動しているところに出会う。むろんチラシ受け取って好意的な表情を向けますんで、ここぞとばかり「安倍改憲の危険性」を滔々と喋って下さるんですけど。その熱意は本当に偉いな・すごいなと思いながらも、聞いてて疲れることは事実。だって、みんな言葉がソックリなんだもの。
署名して下さる方も、改憲反対理由を聞くと「あ、そうなんですね~」としか返せないことが多々。もちろんたまに自身の経験などに基づく話をしてくださる方があって、その場合はほんと嬉しい。
私はね、賛成にせよ反対にせよ、あなたが自分で行きつ戻りつしながら考えた末のものを、あなたの言葉で聞かせて欲しいのです。

《改憲反対は共産主義って、何それ》
ところで、という感じでジロッと私が手にしている署名板を見て、「共産党の署名活動?」と聞いてくる。
「いえ、そうではなくて」
安倍9条改憲NO!全国市民アクションという団体です……と、ごく簡単に説明。共産党支持の人もいるけれど、政党がどうというよりも、要するに「憲法は変えないでください」という市民の活動なんですよ、……などと一応お話を。
それでもこのオッサンなかなか頑固で、「改憲反対なんて言うのは共産主義者だ」。何ともはや乱暴な理屈である。そこそこの教育を受けてそこそこの仕事に就き、定年退職して悠々自適生活(?)に入りましたみたいな雰囲気のある男性だけど。
(そういう粗っぽい頭の構造で、よく社会人として生活して来られましたね。あー情けねぇ)と心の中で呟き、でも顔には出さず「えええ~」と驚いてみせる。
「共産主義とは縁遠くても、改憲反対って人、けっこう多いんですよぉ。実際、署名して下さる方のなかには、どっちかというと自民党支持だけど改憲には反対っていう方もおられますし(←これは本当)」
《その思い込み、なんとかしなさいよ》
有名な人でも大勢おられますよ。ほら、たとえば瀬戸内寂聴さんとか……と言った途端、返ってきた言葉は……
「瀬戸内寂聴? あれも共産党だろ」
これにはさすがにビックリ。
「えっ。あの人はかなり保守的な人ですよ。原発とか改憲とかに反対してるけど、ものの考え方はかなり保守的」
少なくとも私はそう思っている。思想的な分類をするなら、ヒューマニストとかアンチレイシストとか平和主義者とか、そのあたりが近いだろう。ベーシックなところは、やや保守的な感覚の持ち主でもある。文化勲章受章者で、日本の古典や伝統に愛着を持ち、天皇にも親近感を抱いている人。ものすごくザックリした言い方ですが、故ドナルド・キーンなどに近い感じかな。
「第一、出家した共産主義者ってのは、あまり聞いたことないでしょ」
「いや、あれは共産主義者だ」
わからんやっちゃなあ。私は左翼ですけど(厳密にはマルキシストとはちょっと違うのですが)、改憲はじめ安倍政権の方針に反対するのはみーんなアカだ左翼だ反日だという決めつけはホント腹立つ。

ここで余談をひとつ。私の配偶者の祖父は牧師で、信仰上の理由から戦争に反対。アジア太平洋戦争中は非国民扱いされたらしい。戦後も80歳過ぎて亡くなるまでいろんなデモなどに行ったりして、最後の方は(足元が危ないんで)さすがに周囲が止めたとか……。でも彼は日常感覚においてはきわめて保守的な人だった。「オンナ・コドモはうんぬん」と平気で言う、バリバリの男尊女卑だったしね。
ほかにも私の周囲には、「天皇好きだし」「いろいろな感覚がかなり古いし」「自衛隊については(災害救助を)よくやってくれてると感謝してるし」「オリンピックなどの国際競技では日本選手を夢中で応援するし」、でもそれと同時に「憲法は変えちゃいかん・辺野古の新基地建設はアカン・原発の再稼働なんてとんでもないetc.」と言ってる人、けっこういますよ。皆さんの周囲も、そうではありませんか?
《あーしんど》
「違いますって」と、ついムキになりまする。別に瀬戸内寂聴論する気なんかないんだけど。
その時、それまで黙ってニヤニヤしながら聞いていたもう一人の男性が「うん。瀬戸内寂聴は共産主義じゃないよなぁ」
おまえ、それは違うって……と相棒へ向けて。こっちのオジサンの方が、少しはコミュニケーション成り立ちそうかも。
「ともかくですねえ」と、私はちょっと強調する。「改憲反対するのは共産主義者、という思い込みはやめて欲しいんですよねえ」
うーん、とオジサン少しだけ(かなり不服そうな表情で)黙り込む。最後は「まー、いいや。頑張って」と手を振ってくれたけど……。
まったくのところ、こういう人たちと会話することに何の意味があるんだろ、って私自身実は疑問だったりはするんですが。
〈おまえはなにをしているのかと/吹き来る風が私に問う〉という詩の一節を否応なく思い出して。ほんともう、私は何やってるんでしょうね。とほほ。
《おまけのお知らせ》
活動を終えてすぐ、いつもスタンディングorシッティングで参加して下さっているTさんから声をかけられました。『週刊スガモ』を読んで下さっているそうで、ほんと嬉しいというか面はゆいというか。
で、先週の報告について──私は「好きでもない音を大音量で聞かされるのは脳神経を強姦されているようだ」と書いたのですけれど、強姦という言葉は使わないで欲しいという意見を戴きました。
言葉の使い方については真剣に考えてみたいと思いますが、ともあれ彼女の違和感(多分、背筋がザワザワするような感覚を持たれたのだと思う)はきわめてよく理解できるので、「侵襲」という言葉に直しておきました。
Tさん、ありがとうございます。これからもご指摘くださいね。

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