『週刊スガモ』2019年6月29日版

IMG_1335

『週刊スガモ』(by野木)6月29日版

先週は雨でほとんど会話できなかったので、休刊いたしました。この日も天気予報は午後から雨マーク。家を出る時はパラついていて不安でしたが、巣鴨行動の1時間、降りませんでした! ラッキー。おかげで少し会話も出来たので、ご報告まで。

★「お国のことはわからないの」。ええっ!?  

仲間からチラシを受け取った、80歳前後の女性。簡単に署名活動の趣旨を説明して「改憲についてどう思われますか」と聞いたら……。俯いて、ボソボソした声で「お国のことはわからないの」。

お国って……アナタ。いつの時代の人ですか。

ちょっと絶句してしまったが、気を取り直して「安倍首相に対しては、どういう感じを持たれてます? よくやってるという人もおられるし、ダメだっていう人もおられるんですけど」

ほとんど無表情のまま、返事は「……どうも思わない。わからないし」。

究極の無関心層でありますな。「お子さんやお孫さんの将来のことを考えたら、いろいろ心配になったりしません?」と尋ねても、大儀そうに首をひねるだけ。あー疲れた。それにしてもあの人、何でチラシ受け取ったんだろ。差し出されたものは何でも反射的に受け取るタイプ、なんでしょうか。

もう一人、やはり高齢の女性(90歳近いかな)。チラシを受け取ってはもらったが、署名の話をすると私の顔をじーっと見てしきりに首をひねる。もう1度同じことを言ったら、「ごめんなさい」とすまなそうな顔つき。 「補聴器の調子が悪くて、全然聞こえないの」

ありゃま、失礼しました……。

★「安倍も麻生も大っ嫌い」

チラシを受け取ってくれた30代後半~40歳前後の女性。署名については「あ、この署名、もうやってるの」。

安倍総理について聞くと「ほんともう、大っ嫌い」と顔をしかめる。「嘘つきなんだもの。ペラペラと口から出任せばっかり」と。

「安倍さんは子どもがいないから、子育ての大変さとか全くわからないのよ。あの人の言う子育て支援なんて、ほんと上っ面」とも言う。

子どもがいないからわからない……と言われると、同じく子どものいない私としては心の中で「いなくてもわかる人はわかりますよ。わからないのは知力と想像力が欠けているだけ」と呟くのだが、まあむろん口には出しません。

麻生財務相も大っ嫌いだそうで、「下品だし。それにテレビなんかで見てると、喋る時に人の顔を見てないわよね」とおもしろい感想を漏らす。コミュニケーションする気など、ハナっからないんだなといつも思うそうだ。

別れ際に、頑張ってね、と軽く手を振ってもらいました。

時折「署名済み」を逃げ口上に使うヒトがいるが、彼女は感じとして確かに署名していると思う。単なる感触に過ぎないが、だんだん「もう署名した」という人に会う確率が高くなってきた。そりゃそうですよね、考えてみれば。

少し前には一人の女性に穴の開くほど見つめられて、「やだあ。先週、署名したじゃないの」と言われたことも……。お話もしたそうで。すみません、近眼プラス老眼なもんで、人の顔、覚えられないんです。

★安倍の外交に怒り心頭

40代半ばぐらいの夫婦らしき男女と、70代ぐらいの同じく夫婦らしき男女の4人組。家族かな。若い方(と言っても中年だけど)の男性がチラシを受け取ってくれたので話しかけてみると、「改憲なんか、むろんダメ。でもそれより何より、安倍政権そのものがダメ」と明快な口調。

老夫婦と若い方の女性が信号を渡り始めた。中年男性はそちらをちょっと気にしているふうなので、「あ、渡りましょう」と軽く促し、ちょこまかとくっついて行く。久しぶりのストーカーでございます。

別に嫌がるふうもなく、積極的に話をしてくれる。 「安倍総理はアメリカの言うなりになってるでしょ。大量の武器を買ったりして、トランプにいいカモにされている。国民のために使うべきカネをアメリカに貢いでるんだから、ほんとにどうしようもないですよ」

私はね、と続ける。アメリカと喧嘩しろとは言いませんよ。そりゃどこの国とも仲良くした方がいいに決まってますけど、子分みたいになることはないでしょう?  ここで話が日米地位協定の問題へと移り、「まず、あれを見直さなきゃ」と強調する。

「そういう外交のこととか、私たちもよく考えて民意を示していく必要がありますよね」と、なかなか雄弁である。相手が熱心に喋っている時は、こちらは「そうですね」とか「なるほど」などと合いの手を入れるだけなので、楽と言えば楽。

「だから今度の参院選、ほんとに大切だと思うんですよ」と、男性は話を締めくくった。

あ、署名もらうの忘れた。でもああいう人だったら、どこかで既に署名しているのではないかいな(ということにしよう)。

★お仲間に会いました

50歳前後かな?と思える女性。署名を頼むと「あ、私もこの活動やってるの」。

「わあ。9条の会か何かで?」

「ううん、教職員組合」

「活動なさってて、どうです?」と漠然とした質問を投げてみると──

「一時はかなり集めたんだけど、最近少し下火だわねえ」

みんな疲れて来てる……ってこともあるわねえ、と苦笑する。

「あ、わかります。それじゃいけないんですけど、やっぱり疲れることはありますよねえ。私なんかも、ついサボリぎみになっちゃって」

「でも参院選も近いしねえ。踏ん張らなきゃいけないわねえ」

お互い頑張りましょ、と言い合って別れました。

★女子中学生と話ができたのだ

二人連れの女子中学生。10代の人達にはおおむね無視されるのだが、片方が受け取ってくれたので嬉しくなってイソイソと話しかける。

「ねえ、憲法9条って知ってる?」

二人そろって頷いてくれた。おおお~。

「安倍政権……えーっと、総理大臣の安倍さんは、9条を変えるって言ってるんだけど、知ってるかな?」

はい、とまた頷いてくれる。わくわく。

「そういうのって、どう思う? 率直な感想、聞かせてもらえる?」

「いけないと思います」と、一人が割とはっきりした声で言う。もう一人も、同意するように頷いた。

ダメだと思う理由は……「戦争になったら困るから」。

かなり大雑把ではありますが、中学生ならこれでいいか。

 

「おうちや学校で、そういう話することある?」

「……お母さんがぁ……」(母、ではなくて、お母さんと表現。子どもと生活した経験のない私には、こういう幼げな言葉遣いはちょっと新鮮で可愛い)

あ、親がそういう話をしているのかと一瞬思ったのだが、そうではなかった。彼女自身がテレビなどで改憲の話に接して疑問を感じ、「お母さんに、よくないんじゃない? と聞いたんですぅ」。

「そしたら? お母さん、何ておっしゃった?」

「そりゃよくないねえ、って」

これも……ま、いっか。

ここでちょっと話を変えて、「9条を変えるって話だけじゃなくて、憲法に緊急事態条項を入れたいという話もあるけど、それは知ってるかしらん?」と尋ねてみる。

これに対しては、二人とも首を横に振った。で、簡単に説明すると……二人は「ええぇぇ」と言って顔を見合わせる。

「知りませんでしたぁ」「そんなの怖いですぅ」と口々に。うん、「怖い」という感覚、大切にしようね。

「ナチスって知ってる?」と聞くと、ハイという返事。「ドイツの……」「ヒトラー」と、二人でモソモソと知識を確認し合っているふう。

なかなかシッカリした中学生ではありませんか。本を読んだりするのが好きな少女たちかも知れない。たとえば『アンネの日記』とか、手塚治虫の『アドルフに告ぐ』(これはマンガだけど)あたりを読んだとか。早熟な子であれば、フランクルの『夜と霧』やグラスの『ブリキの太鼓』などもちょびっと読んでいるかも。(全部、もう古いかなあ)

昔のドイツの憲法には緊急事態にあたって大統領に緊急措置権を与える──つまり独裁を許す条項があって、ヒトラーはこれを巧く利用したんだよね、という話をする。 「特別な場合にはトップが独裁できる方がいいっていう人もいるけど、私はやっぱりそういうの、まずいと思うんだよね」

「私もそう思います」と、どちらか片方の中学生が言ってくれた。二人とも、かなり真剣な表情。

最初にチラシを渡さなかった方の中学生にも、改めて渡す。中学生、捨てたもんじゃないぞと思えたのが、この日一番の収穫でした。

★キミたち、いちびるのはやめなさい

時々、私たちの活動を横目で見てクスクス笑いながら通り過ぎる中学生や高校生もいる。むろん、好意的な笑いではない。「ジジババが、何かキャンキャン言ってるぜ」みたいな、小ばかにした笑いだ(馬鹿にした……ではなく、小馬鹿にしたという表現が適切だと思う)。

この日出くわした3人連れの男子高校生もその例で、高橋さんが「自衛隊を憲法に明記する危険」についてスピーチしているのをチラッと見、「ほら、やってるぜ」と言いたげな顔を見合わせる。

そして1人が、小さな声で「戦争、した方がいいと思いまーす」。スピーチしている人には絶対に聞こえない小声だが、お生憎さま、私の耳はかすめたぞ。

クスクス笑って突っつき合いながら足早に通り過ぎるのを見ながら、私はちょっと固まった。こういう「いちびり」に出会うと、2回に1回ぐらいは「えー。それ、どういうことぉ?」なんて声を掛けたりするんですが、この時は掛けそびれた(声掛けって、一瞬のタイミングを逃すとダメなんですよね)。

ちなみに「いちびり」というのは関西弁で──説明するのがちょっと難しいんですが、調子に乗って悪ふざけすること(や、それをする人)のことだと思ってください。目立つためにヒトが嫌がったり眉をひそめることをわざと言ったりやったりする、というニュアンスが色濃く含まれます。動詞にすれば「いちびる」。関西人の私から見ると、維新の党の連中などは典型的な「いちびり」ですね。

多分あの少年も、本当に「戦争歓迎」というわけではないはず。何かウザイ爺さんに、言ってやったぜ~とおもしろがっただけなのだろう(大声で言わないところ、いちびりとしてはまだ初級ですな)。

だからこそ、こういう時に何と言えばいいのか私自身まだよくわからない。相手の言葉を真に受けたふりをして「えーーーー。どうして?」と真顔で聞くのがいいのか、それとも「そういう悪ふざけはやめなさい」とたしなめるのがいいのか。

そう言えば随分前だけど、少し離れたところに立ち止まって「安倍さんイジメないで~」「安倍さん大好きぃ~」と大声出していちびっていた男子高校生の集団に近づいて「んん? イジメてるみたいに見える?」と聞いたら、急にシュンとなったのを思い出した。「すんません。シャレです、シャレ」なんて言って、逃げて行っちゃったっけ。

中学生高校生諸君! オバサン(オバーサン)は真面目に話、したいんだけどなあ。

カテゴリー: こんな行動をやっています, 週刊スガモ パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中