『週刊スガモ』2019年10月19日版

『週刊スガモ』(by野木)10月19日版・その1

「暑い! 暑い!」という日々がやっと過ぎたと思ったら、夜など肌寒い時も。毎年同じように繰り返す季節の巡りのなかでたゆたっていると、それこそ「神、空にしろしめす。すべて世はこともなし」ふうの感覚に陥りそうになりますが……耳の底に聞こえてくる不穏な足音には、やはり「ナンのモンダイもないもんね~」とは言えませぬ。

というわけで、さて19日の巣鴨街頭の模様なんぞを。いや、今週はさぼっていたわけではなくて。パソコンの調子が悪くて、しばしばフリーズ。やっと文章だけは何とか書けるものの、ネット接続するとストライキ起こしまして。まだ少し不安定なのですが、何とかアップ。

★「安倍さんは信用できないから」

若い女性がチラシを受け取って、すぐさま署名してくれた。むろん誰に署名してもらっても嬉しいのですけれど、相手が若い人の場合は、折り返し点をとうに過ぎちゃった高齢の人達に署名してもらうのより2倍ぐらい嬉しいですな、やっぱり。

改憲反対の理由は、憲法は絶対に守らなければとかいうより、「安倍サンという総理大臣が信用できないから」。

「どういうところが信用できません?」

そうですね、と彼女は首を傾げて、「あの人、国民の目線じゃないっていう気がします」

「なるほど。なるほど。たとえばどういうところで、そう感じます?」

「いろいろ……ですね。ニュースとか観たりしてると、どうしてもそんな感じがして」

ごめんなさい、急いでいるので……ということで、話はそこまで。本当に急いでいるみたいで、小走りに行っちゃった。忙しいなか、署名ありがとう。

ちなみに学生さんかなと思って年齢を聞いたら、「28です」とのこと。ほんと、他人の年齢ってわかんないです。

★「安倍改憲だけはダメよ」

同じくチラシを受け取って署名してくれた、(多分)60代前半ぐらいの女性も、「憲法は一字一句変えちゃダメ、とまでは思わない」「でも安倍改憲だけは絶対ダメ」という意見。

「絶対変えちゃダメ! というのも、何となく硬直した感じがするのよね。私たちがいろいろ話し合ったりするのは、いいと思う。でも安倍の改憲なんて!」

こういう人は、結構多いです。その多くは「9条をいじることに反対」でもあるのだけれど、それより何より安倍政権の狙いにキナ臭さを感じているわけだ。

「憲法のことは今ひとつわからないけれど、わかりにくいからこそ、安倍政権みたいな薄汚い政権に、バタバタ変えられるのは怖い」とか。以前のことだが、「9条は変えるべき。日本は正式な軍隊を持つべき。でも安倍の改憲は姑息だからダメ」という人もおられましたな。

毎度同じことを言ってるみたいで気が引けるんですが、こういう様々な人を全部こちら側に引き寄せないと、私たちは負ける。

★「みんな今の生活に満足しているから」 

交差点の手前で信号待ちをしていた70代ぐらいの女性が、チラシを受け取ってくれた。やや胡散臭そうな表情だったので、署名活動の趣旨を一言二言説明して、「署名は結構ですけど、ご意見聞かせてもらっていいですか」と話しかけてみる。

そうしたら「あ、署名しますよ」という返事。さらに数分だけではあるが、対話にも応じてくれた。最初ちょっと引いた感じが見えたのは、多分、「見知らぬ輩に街中でいきなり話しかけられること」に慣れていなかったというか、びっくりしただけなんでしょうネ。スミマセン。

「今の憲法は日本の宝物。それこそ、世界遺産だと思う」と彼女は言う。「ほんとに素晴らしい憲法だと思いますよ。変えようなんて、とんでもない」

安倍首相も、「過去最低の首相」だと思っているそうだ。

「でも、それなりに支持する人もいるんですよね。大勢……とは言いませんけど、それなりの数。ここでチラシを配っていても、実際に安倍政権を支持するという人に何人も会いました」

なぜ支持されていると思われます?……と質問すると、彼女の応えは「みんな、今の生活に満足しているんじゃないかしら」。

「そうかなあ。結構、生活が大変だという人は多いと思うんですけど」と私。

「うーん。でも、ほとんどの人は食べられないってほどじゃないでしょ。そこそこ、暮らしていけるわけ。切羽詰まってない。だから、これでいいと思ってるのよね、きっと。それと、やっぱり忙しすぎて、目先のこと以外は考えられないっていうこともあるんだと思う」

「自分の生活だけで手一杯、面倒なことは考えてられるかっていう人は、確かに多いのかも知れませんね」

「だからもう、現状維持ならオッケーという感じなのかも知れないわね」

 

★「嫌な情報」は聞きたくないのかな?

多くの人が「今の生活に満足している」かどうかは、私にはわからない。ただ、「明日の米にも困る」ほど切羽詰まっている人は──むろん大勢いるけれど決して多数ではなく、大多数は「何とか暮らしていける」状態だというのは確かだろう。だから、「今のままで大過なく時間が流れていけば(素晴らしくハッピーではないけれど)不幸でもない。まあ、いいんじゃない?」という感じ……ですかね。本当は少しずつ不幸になりつつあるのだけれど、まだ眼に見えてハッキリわかってはいないし。

それに対して「ほっとくと大変なことになるぞ~」と言いつのる人間を、うざったく感じるかも、というのもわからないではない。人間、誰でも「嫌な情報」は避けて通りたいところがありますもんね。たとえば身体のことだって、調子悪いな~と思っても、「大変な病気だとわかると怖いから」病院に行くのを渋る、なんて人は少なくない。あ、皆さんは違います? それは失礼。

 

★「変える必要を全く感じないから」

署名してくれた高齢の男性と、そこそこ長い時間(10分ぐらい?)話をした。

「憲法だって、ヘンなところがあれば変えてもいいと思うよ。でもねえ、今んとこ、変える必要があるとは全く思えないんでね」と明快な意見。それを無理矢理変えようということ自体、胡散臭くてゾッとするそうだ。

安倍政権については「ぜーんぶダメ」と、これまたはっきりしている。「安倍になってから、世の中が途端におかしくなったと思わない?」

えらくフランクで、親しげに喋るオジサンであった。私もあまり礼儀正しいほうじゃないんで(しかも言葉も綺麗じゃないし)、ついついタメ口になってくる。

「でも、安倍政権支持するっていう人も、それなりにいるんだなぁ」と、また言ってみる。このところ、「なぜ安倍政権が支持されていると思うか」という質問に凝っているのである。

「まあーねえ。若い人の支持率も高いとか言われてるよねえ」

 

★「外交の成果なんか1つもない」

「なぜだと思われます?」

「さあ。……なぜだろう」

逆に聞かれても困るんやけど(私は職業柄、問いかけ側キャラなんで)。仕方ないので少しばかり。「外交を頑張ってるから、なんて言う人にはよく会いますね。トランプ大統領とあんなに親しく話せるのは安倍サンだけ、とかさ」。

そう言うと、「頑張ってないよぉ」と大きな声。「国益って言うの? 日本のためになってることなんか、1つもないじゃん」

「確かに」

「むずかしい話じゃなくてさ、オレら庶民の目から見てさ、外交の成果で『ああ、よくなったなあ』と感じるもの、ぜーんぜんない」

 

むしろ怖いだけだよ、と男性は続ける。アメリカに尻尾を振った挙げ句、本当に戦争に付き合わされそうな気がすると。

「私らが生きてるうちは何とかこの国が保つとしても、子や孫の時代には……って思いますよねッ」

「生きてるうちだって、わかんねえよ」と、オジサンは苦笑する。「オレはもうすぐ70になるんだけど」

と、ここで年齢がわかった。実は70代半ばかなーと思っていたのだけれど、(多分、髪がほとんど真っ白だったせいで)また読み違えた。

「世の中はほんの数年でパッと変わるから」「そうですね」と、アジア太平洋戦争前夜からの日本の状況について、断片的に話をする。

 

★賭博場、はんたーい 

この後、公明のことなどもひとしきり喋った後、男性はいきなり「うちの方は、別の問題もあってさ」と話題を変えた。

「は? どんな問題」

「と・ば・く・場」

「あっ、カジノ」

ちらっと署名蘭に目をやって、横浜市在住であることを確かめる。

「あんなものを作りたいなんて、冗談じゃない」

「賛成の人もおられるでしょ?」

「そりゃね。経済活性化とか何とか言ってさ」

「でもねえ。博打のテラ銭で儲けようなんて、ほんっと下品だと思うけどなあ」

キャハハ、とオジサン笑う。「だよなあ」

安倍政権になってから、世の中がどんどん下品になってるよな、というあたりで対話は終了致しました。

 

★「字が読めなくなってて」 

90歳過ぎ……だと思う。シルバーカーを押して、覚束ない足取りで歩いていた女性。チラシを差し出すと「ごめんなさい」と軽く頭を下げた。「私ね、眼が悪くて、もう字は読めなくなったの」

こちらも「それはそれは」と言うのみ。

「でもね。あなた達の言ってること、よくわかるの。頑張ってね」

そりゃどうも、とついこちらも頭を下げた。本当は署名も頼めばよかったのだろうが……。

 

そのほか、「もうほかで署名はすませた」という人も。数えているわけじゃないんで単なるカンにすぎないけれど、少しずつ少しずつ、「署名ずみ」の人が増えているのは確かな気がする。そりゃそうですよね、この問題に関心があり、最低限、安倍改憲にはノウという人なら、どこかで既に署名している確率は高まっているはず。少なくとも都内(および大都市の中心部)であれば。

これからはもっともっと、「あまり関心のない人」に訴えかける運動をしていかねばならないし、そういう人が関心を持つきっかけになるような言葉も必要なのだけれど、なかなか「コレ」という巧い方法を思いつかない。皆さーん、アイデアを下さーい。

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