『週間スガモ』(11月2日版)

先週は所用があって巣鴨行動を大幅に遅刻。ぼーっと立っていただけで、ほとんどカカシ同然でありました。これではアカンなーと反省して、この日は少し積極的に話しかけを。

★「日本人はバカだ」

署名してもらったので意見を求めると、「日本人がバカなんだ」と息巻く70代前半(正確な年齢を聞いたのだが、忘れてしまった)のオジサマ。

「何も考えていない。むろん若者だけじゃない。オレらの年代でも、本も読まず何もわかっていないのが多い」

まあ、私みたいな活字中毒人間は、「本を読め」という言葉を聞くとつい嬉しくなってしまいますが、本さえ読めばいいわけじゃないんで。友人のひとりは本をほとんど読まないのだが(活字を見ると眠くなるという、私の友人には珍しいタイプである)、それでも「常識から考えて安倍政権はおかしい」と思っていて、安倍改憲NOの署名もしてくれたし。

日本人の自主性のなさ、知性の低さ等々についてそこそこ長い話を聞いたのだが、実はほとんど忘れました。こう言っては悪いが、言葉が定型的だったんだと思う。「同感する。本当にその通りだと思う。でも、あちこちでよく聞く言葉なんで……」という感じかなあ。理路整然としていて、三重マル付けたいような、そのまま文章になるような言葉たちなのだけれど、サラサラと素通りして今ひとつ残らない。すんません、えらそうなこと言って。

(教師っぽい&インテリ臭い話し方だなあ……と思ったら、彼は自分のほうから「もう定年退職したけど、大学の教員だった」と話してくれた。今でも教え子達と意見交換する機会がよくあって、イライラすることが多い由)

 

★上から目線はダメ……だよね   

記憶に残ったのは、それ以外の2つの話題。

ひとつは「上から目線ではダメ」ということ。

話がいつ段落したところで、私はポツッとこう言った。「でも相手をバカだと切り捨てるだけでは、この現状を打ち破れないと思うんですよね。いろんな街宣とかで、おまえ達はバカだ的なスピーチを聞くことがあるんですけど、私なんかはギクッとするんですよねえ。精神的マゾヒストは別として、上から目線で叱られて嬉しい人間はいませんから。もう少し、こちらから相手に近づいていかないと」

ま、大衆迎合主義と言われるかも知れませんけどね、と自嘲的に肩をすくめてみせると、意外や、彼は「そうそうそう」と頷いたのである。

「オレもね、共産党の連中にはよく言ってるんだよ。理念ばかり言わないで、もっと庶民の感情に寄り添わないとって」

あ、わかってるんだ。でも頭ではわかっていても、おそらく経験や知識が邪魔して、野放図に弾けられないのかも知れない。これは──ごめんなさいだけど、多くのインテリに共通した傾向かも知れない(私はインテリじゃない──少なくとも正統派インテリじゃないので、そのあたりは結構透視できたりする)。

もうひとつは小さなことだけど、『ジィジとバァバからのお手紙』というチラシのタイトルに対する意見。

「ジジとババと書きなさい」という助言でありました。ジィジとかバァバなどという言葉に、胡散臭さを感じているふうだった。

ま、そのあたりはホント個人の感覚でありますので、「はい。承りましたっ」ですませましたけど。

言葉の細かいところについては、言い出すとキリがないんですよね。実はこのチラシを作ったのは私で、最初のタイトルは『ジィジとバァバからの手紙』だった。「手紙」でなく「お手紙」にして欲しいという仲間の強い意見があって、変えたのである。私個人の感覚としては手紙に「お」を付けるのは違和感があったのだけれど、こだわるところでもないので黙って修正した次第。

そういう言葉に対する感覚は、本当に難しい。私は自分が個人で発信するものについては自分の感覚を押し通すが、複数で共有するものに関しては(ヘンな言い方だが)「強いこだわりのある人がいれば、それを尊重する」のが基本なのである……。

先の人とほぼ同年代に見える──つまり70代前半とおぼしき男性。チラシを差し出すと、「オレは改憲派だから」と首を振る。あ、そうですか。

「改憲にもいろいろあるんですが、どこを変えるべきだと?」と聞いてみた。改憲賛成・安倍政権支持の人達の対応は2種類。汚いものも見るように睨み付けて足早に(時には罵倒の言葉を投げて)行き過ぎるか、足を止めてじっくり言葉をかわすか。

この男性は後者で、立ち止まって私と真向かった。

ついでながら後者も2種類で、①割とコミュニケーションが成立する場合(15分か20分ぐらい話し込んで、最後には安倍改憲だけはダメと署名をもらったこともある)②「バカどもにガツンと言ってやろう」という感じで対話に応じる場合──があるのだが。

「むろん9条」と彼は断言する。

「ほうほうほう。やっぱり今の9条は問題ですか。ただ、9条を変えるといってもいろいろありますよね? 安倍首相によれば、自衛隊を明記するだけという話ですが? それがいいと?」

いや、と彼は首を振った。本当は、国軍を創設すべきだというのである。

「いやしくも独立国家なら、国防のために軍隊を持つのが当たり前だろう」

その意味で、安倍改憲にはいささか物足りなさを感じてはいるという。

「はあ、国軍。それは今の自衛隊の延長線上にうるものですか、それとも徴兵による軍隊ですか」

「原則的には、徴兵がいいと思う」

軽く言うなよな、そりゃアンタは年齢から言って徴兵されないだろうけどね……という言葉を呑み込んで。「そんなこと可能だと思われます?」

「すぐには難しいかも知れない」と言いつつ、軍隊の必要性についてひとしきり。

★「安倍政権を評価している」 

バリバリの改憲派。と言うか、かなり確信犯的な人でありました。

「改憲、してもいいんじゃない?」「安倍政権、まあイイと思う」みたいな消極的支持の人達とは是非話をしたいけど、ここまでの人はやっぱり疲れるな~。でも無駄だとは思わない。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」なぁんて古い言葉を、頭のなかで自分に言い聞かせる。向こうがどういう言い方をするのかを知っておけば、こちらも対処の方法を工夫できますからね。

安倍首相については「評価している」とのこと。

「100%の総理大臣なんか、あり得ない。安倍総理もいろいろ問題はあると思うけれど、まあ……80点かな」

特に、特定秘密保護法とか安保法制など、「国防」に関わる法律を成立させたことは大いに評価できるという。わあ、やっぱり「強い日本、万歳」の人なのだ。困るなあ、こういうマチズモの高齢男性。安倍政権の差別主義的体質にちょっと触れても、そのあたりについては何も感じていないふう。驚くほど鈍いんですな。

こういうことを言っちゃいけないと思いつつ、言ってしまいますけれど……ふんわりしたマチズモのなかで心地よく育って、いい大学を出てそこそこの企業に就職して定年を迎え、満足して暮らしている高齢男性にはイライラさせられることが多い。

★無責任? 何それ 

「あんたは何処の政党を支持しているの?」と逆に質問されたので、「無党派層ですね」と答える。

これはまあ、正直な答え。私は思想的には共産主義に近い(むしろ無政府主義かも)のだけれど、若い頃にフェミニズム運動のなかで共産党の人たちと対立したことや(小さな問題だと切り捨てられた時の悔しさを、私はいまだに忘れていないのだ。踏まれた側は忘れないのである)、「民主集中制」に疑念を持ったことなどから、全面的に共産党を支持することはできない。かといって現在の社民党や、立憲民主党などに特別に肩入れも出来ず(個々の政治家については応援している人もいますけど)、まあ……やっぱり無党派層ですね。

その答えを聞いて、オジサンは鼻で嗤った。「そういうのが一番無責任なんだよ」

はっ。そうでっか。

最後は「ま、お互いに頑張ろうね」という言葉があって、あれはいったい何なのだと未だによくわからない。

★韓国の留学生と

シール・アンケート板をじっと見ていた20歳そこそこの男性がいたので、「気になってることがあったら、シールを貼って行かれません?」と声をかけた。

「反対でないといけないんですか」

「いえ、反対でも賛成でも。とにかく、皆さんどういう問題が気になっているのか知りたいなあということですので」

では……と言って、「日韓関係」にシールを貼ってくれた。

「私は韓国人なので」とのこと。

「そっかあ。今の日韓関係、どんなふうに感じておられます?」

「うーん、やはりお隣ですから。親しくした方がいいんじゃないかと」

日本在住の人かと聞くと、留学生だという。

「今、日本には大声でヘイト・スピーチをする人達もいるんですよね。日本に来られて、嫌な思いをされたこと、あるんじゃないですか?」

いえ、と彼は首を振った。「私の周囲には、そういう人はいないので。新大久保に行った時、『帰れ』と言ってる人に会ったことはありますが」

私がまだ日本に来る前は、こんなに関係が悪くなってなかったので──と彼は言った。「日本に対しては、ごく普通に『お隣の国』という感じでした」

比較的好意を持っており、だからこそ留学したのだが……少しずつ険悪な雰囲気になってきて、驚くと共に心配にもなっているそうだ。

彼が日本に対して不快感を募らせないよう、祈るのみ。

★「変えることが怖い」

立ち止まって、「安倍改憲NO」の横断幕をしげしげと見ている70代ぐらいの男性。ヘルプマークを下げ、シルバーカーのようなものを押している。

チラシを差し出すと、首を横に振る。「今ね、眼が悪くて字はほとんど読めないんで」

歩くのもかなり不自由だと言う(横断幕の大きな字を読み取るのが、せいぜいだったようだ)。

ただ、関心はあるようで、「どういう団体か」と聞いてくる。OLDsのことを簡単に説明すると、「で、どこの団体が集約しているの?」

共産党などの政党か、あるいはナントカ組合といった所の下部組織(?)だと思ったようだ。

「いえ、別にどこかに所属しているとか、指示系統があるとかいうんではなくて。単にその辺の中高年の自主的な集まりで」

へえ……と驚いてみせる。「そういうの、珍しいねえ」

(そんなこと言われたら、こっちが驚くワ。パンダやトキじゃあるまいし)

安倍改憲には疑問があるそうだし、安倍政権もイヤだとは言う。

「ただねえ、安倍を辞めさせても、じゃあ次は誰にするのかってことがあるよね。辞めさせたはいいけど、次にもっとヒドイのが出て来たんじゃあ困るし」

何かを変えるというのはとても不安なのだと。これも多くの(って、何割りかと言われても困るんですが)国民のなかに潜む、正直な気持ちなのだと思う。

最後に「頑張ってね」と言ってはくれました。

 

★余談です

この日に一番嬉しかったのは、男子中学生と女子中学生がひとりずつ、チラシを受け取ってくれたこと。

巣鴨でチラシを配っていると「変なオバサン」視され、避けて通られることが多いので、これはもう本当に感激です。それにしても、仲間がどうしてあんなに大量のチラシを配れるのか、私にはどうしてもわからない。なるべくニコヤカにと心がけているつもりだけれど、実のところ「寄るな」オーラでも出しているのかね。

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