週刊スガモ 2020年3月21日版

『週刊スガモ』(by野木)3月21日版

いやはや、暖かい日でした。先週はみぞれだったのに、この落差はいったいなんなんだ。世の中がおかしいと、気候までおかしくなるのでしょうか。

この日署名してくれた人は3人でしたが、偶然のことながら3人とも「確信を持って改憲NO!」「改憲は絶対ダメ!」の人──変な言い方ですが「温度の高い人」ではありませんでした。1人はどちらかと言うと消極的自民党支持、という感じでしたし。それでも、安倍改憲はやっぱり困るよな……という程度の気持ちは底にあって、それを引き出すことは可能なんですね。では彼らとのやりとりを紹介しましょう。

★近畿財務局職員の自殺「許せないよ」

まず1人目は、50歳前後ぐらいの男性。積極的に署名してくれた人ではあるけれど、改憲そのものについては「イエスともノウとも言い切れない」と言葉を濁す。ただ、「安倍改憲だけは100%反対」。

理由は──「全く信用できないから」。いろいろなことを隠している、正直じゃない、と憮然とした表情で語る。

ふと思い立って週刊文春に掲載された赤木俊夫さんの手記の話を出すと、ウン読んだと即答し、「あんまりだよ」と少し声を高めた。「あの人、結局殺されたんだよ。下の人間にあんなこと押しつけて。絶対、許せないと思う」

そういうことを平気でやる政権が進めようとする改憲なんか、絶対に認められないという立場でありました。

赤木さんの手記公開によって森友問題が再燃焼した今、こんな感覚を持つ人は多いかもしれない。特に組織に勤めている人は上から無理難題を押し付けられた経験もあるだろうし、「身につまされる」思いをしているのでは。こんな政権に好き勝手させていいですか、という呼びかけもどんどんやっていきたい。

 

★「改憲の必要性はないのでは?」

2人目も男性。60代前半ぐらいかな? チラシを開いて目を通してくれたので、「改憲のこと、どう思われますか」と聞く。

「まあ、変える必要はないんじゃないかとは思うけど……」

「ですよねえ。別に今の憲法で、私ら何も困ってませんからねえ」

「なんで慌てて、と疑わしい気持ちにはなるよな」

今の政権はホントにダメだからなあ、とちょっとため息。

「どんなところがダメだと?」

「まあ……いろいろ」

言い出せばキリがない、というところか。ともかく「安倍政治許さない」の人であるらしいことだけはわかった。

 

自民党は自浄作用を失っているという話をちょっとした後で、「20年後には進次郎が総理になったりしてさ」と彼は肩をすくめた。

小泉元首相に対しては福祉の切り捨てなどの政策を筆頭に怒り心頭に達しており、ジュニアについても危険しか感じていない私としては、進次郎総理なんて言われただけで脳貧血起こしそうになる。

「冗談じゃないですよぉ」

「いや、オレはあいつの選挙区なんだけどさ」

横須賀在住の人であった。「余裕で当選するんだよな」

この後、今の自民党あるいは自公政権に対する不満を断片的に。

政治的関心の温度はやや低めで、「なるようになれ」みたいな半ば諦め感覚が見え隠れする人ではあったが、「やっぱりねえ。何か、このまま押し切られるのマズくないです?」などと軽く促すと、「まあ、そうだなあ……」と署名はしてくれた。

 

3人目は60代半ば~70歳前後に見える女性。仲間からチラシを受け取ったのを見て、交差点の手前で声をかけた。かなり長いこと話をしたので、ご報告の文章も長くなります。すみません。ただ、この女性の話は割とおもしろかった(内容うんぬんと言うより、目の付けどころが)。よろしければ、斜め読みしてみて下さい。

 

★「あの人(安倍首相)、壊れてる」

「改憲? うーん、良くないかなとは思うけど……」と、あまり気乗りしない返事。

ごくごく簡単に署名の趣旨説明をしたが、「うーん。まあ、これ(←配布したチラシ)読んでみるから」と逃げ腰になる。

こりゃダメかなとは思ったが、ちょうど信号は赤だし、せっかく捉まえた相手はなるべく逃がさないのが私の方針(??)。

「安倍政権というか……安倍首相、どう思われます?」と話の方向を変えてみる。するといきなり、身を乗り出すようにして話し始めた。

「あの人、もう壊れてるわねえ」

「はあ。壊れてますか」

「テレビで視ていると、もう完全に目が泳いじゃって、言ってることは無茶苦茶だし。自分でも何言ってるのかわからないんじゃないかしら。視てて、可哀相になるぐらい」

あはは、確かにそうですねえと相槌を打つ。

「あの人、そもそも総理大臣になっちゃいけない人よ。坊ちゃん育ちで、まあ人はいいんだろうけど」

人柄がいいというのでなく、口ぶりからすると「お人好し」というニュアンスである。なるほど、そういう見方もあるか。

「岸さんの孫で、回りに持ち上げられて総理大臣になっちゃったのよね。でも、空っぽなのよ。ドッシリしたところがない」

 

★「麻生は国会が嫌でたまらないのね」

「たとえばほら、田中角栄さんていたでしょ? あの人なんか、ドシッとしてたもの」

ドッシリという言葉で何を言いたいのか確かめはしなかったが、要するに信頼感が持てるとか、安心できる、器を感じるといった意味合いだろう。

「まあ角栄さんも毀誉褒貶ある政治家でしたけど、それなりに評価できる政治家ではありましたね」

私は角栄も別に評価はしていないのだが、ここは話を合わせる。私も適当な人間でございまする。まあ何と言うか、相手の価値観みたいなものを否定すると会話はプツッと切れちゃうんで。むろん、キチッと否定しておかねばならないものはありますが、角栄の話はそれほどのものでもないし。

「でしょ?」と嬉しそうな顔。どうやら角栄ファンらしい。

 

世襲の政治家はダメよねえ、と彼女は続けた。

「安倍首相もだけど、私、麻生も大っ嫌い」

よほど嫌いらしく、財務相は呼び捨てであった……。

「はあ。どういうところが嫌いですか」

「テレビの中継(国会中継)視てて、ホントに腹が立つのよ」

答弁の内容かと思ったら、閣僚席に座っている時の姿だという。

「ほら、こうやって」とちょっと真似てみせる。「足投げ出して、だらしなく座って。いい年した大人が正式な場所で、ああいう座り方ってないわよね。国会に出るのが嫌でたまらないのが、すごーくわかる。国会なんかどうでもいいと思ってるのよね、きっと。視ててもう、こっちがバカにされてるみたいに感じる。そんなに嫌なら、国会議員辞めて好きなことしてればいいのにね。お金は山ほどあるんだし」

なるほど。そういう所を見ている人もいるんだ。こういう感覚も大事に拾っていかないと(頭のなかにメモメモ)。

★気になるのは態度や口調

「ですよねー。さっとと議員辞めて、好きなだけ高級クラブ通いしてればいいんですよねー」と私。

そうそう、と彼女は笑った。だんだん雰囲気がフレンドリー(と言うより井戸端会議仲間の雰囲気)になってくる。

彼女は国会中継をよく視ているらしいが、別にテレビの前に座って注視しているわけではなく、用を足しながらチラチラ見ているという感じ。だからかも知れないが、質疑の内容よりも「態度」や「口調」などが気になるようだ。

「安倍さんもね」と彼女は言う。「何々でございますとか、言葉だけは馬鹿丁寧だけど、あの表情がね。ああ、口から出任せを言ってるなって」

「官僚の作文を読んでるだけ、とも言われてますよね」

「まあ誰に言わされてるのかわからないけど、自分では何も考えてないわねえ。口調だけやたらに丁寧なのが、かえっていやらしい感じ」

この後も、彼女は安倍首相などに対する彼女自身の意見を次々と述べた。安倍昭恵氏のことも「何も考えてない気儘なお嬢さん」とバッサリ。

「あの人たち(=安倍、麻生など)は、お米の値段も知らないと思う」とか、「安倍サンは、(家柄だけはよくて頭はよくなくて、あまり自分でモノを考えないから)利用したい人たちにとって便利なんだと思う」等々の話を、細かく合いの手を入れながら聞く。

安倍&麻生以外の閣僚や官僚などの、答弁時の表情や口調の話も出た。この人、結構国会中継視てるなあ。環境テレビ風に流してるだけだとしても。

気が付いたら、信号が変わること数回。軽く10分ぐらいはコミュニケーションしていた。

★やっとこさ着地

はっきり聞いたわけではないが、この女性は「どちらかと言えば自民党政権でOKと思っている人」のように見えた。「ただし、今の自民党(特に安倍政権)はダメ」派かな。何しろ角栄ファンなのだ。「誰かいい人がいればいいけど、私らにはわからないしねえ」と首を傾げたりしていたし。

ともあれ話をしているうちに、「少なくとも今の政権は危なくって仕方ない」というところに着地。

 

で、最初に戻って「そういう政権が、憲法変えたいなんておこがましいと思いません? 私なんかは、おいおい待てよって思うんですよねえ」とチラチラッと口に出すと、「それはそうよねえ」と案外アッサリと頷いた。

署名ゲットできたので、「終わり良ければすべて良し」ということで。

★井戸端会議にも意味がある?

彼女とのながーい話の中身は、別に大したものだったわけではない。憲法のケの字も民主主義のミの字もなく、反戦平和や人類の未来について話し合ったわけでもない。

週刊誌ネタを軽くやりとりしたような、ほとんど井戸端会議でありました。そういう立ち話をして何になるのか、何の意味があるのかと正面切って問われれば、私もウーンと口籠もるしかないんですけどね。10分話して1筆なんて、ほーんと効率悪いし。なるべく巧く相槌打ちながら一生懸命聞くって、実のところ結構疲れるし。

 

ただ、多くの人が心の底に持っているであろう「何かヘンだ」「何となく嫌だ」という漠然とした感覚を、言葉にして出してもらうことで、その人のなかである程度の明確な形にしていく助けにはなるかも。今回話をした女性も、あっちへ飛び、こっちへ飛びして話をしながら、時々「うん、そうなのよね。やっぱり私たちバカにされてるのよね」などと改めて納得したような言葉を漏らしたりしていた。

もうひとつ。

この女性の安倍政権に対する不信感の根っこにあったのは、先述のように首相や財務相その他の態度や口調から受ける不愉快さである。彼女が言っていたことは、単なる印象あるいはカンに過ぎない。でも、そういう印象やカンも、意外に大切だと私は思う。表情や口調、態度などから、「こいつ信用できない」「バカにしてる」「嘘ついてる」と感じることは、日常生活のなかでもままある。そういう感覚を大切にして、急がず慌てず「安倍改憲NO」に繋げていければ……なあんてね。

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